「おねショタ」という言葉があるようです。
年上のお姉さん×ショタ(未成年者までの少年)のカップリングを現わしている、そのまんまの言葉ですが・・・
「私の少年」という漫画はおねショタという簡単な言葉で片付けられない漫画です。
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『このマンガがすごい!2017』オトコ編第2位です。
オトコ?
「私の少年」あらすじ
この感情は、母性?それとも--。
スポーツメーカーに勤める30歳、多和田聡子は、夜の公園で12歳の美しい少年、早見真修と出会う。
元恋人からの残酷な仕打ち、家族の高圧と無関心。
それぞれが抱える孤独に触れた二人は、互いを必要なものと感じていく--。
「私の少年」を読んで
18歳年上の女性の抱く気持ちは恋なのか・・・
通勤途中の公園で、よく1人サッカーボールでリフティングの練習を行っている少年を見かけていた、主人公の多和田聡子(たわださとこ)
聡子は元カレと同じ職場のストレスから、帰宅途中の公園でやけ酒をあおる始末。
そんな聡子の前にサッカーボールが転がりこんできたことをきっかけに、何度か見ていた少年・早見真修(はやみましゅう)と出会います。
夜遅くに1人公園で練習をしている真修を気にしていた聡子は、また別の日に真修が不審者に声を掛けられているところを助け出しました。
レギュラー入りのためにどうしても夜にも練習したいという真修の希望を叶えるため、見守りも兼ねて練習に付き合うことを約束します。
大学時代にフットサルをしていたこともあり、リフティングのコツを教える聡子。
素直でひたむきに頑張る真修の姿には、こちらまで応援したくなります。
30才の聡子と12才の真修の関係は果たして恋愛なのか?
一番気になるのはそこです。
定時に仕事を上がり急いで帰っていくことを疑問に感じているかつての元カレ・椎川文高(しいかわふみたか)。
意味深な言葉で聡子を飲み会に誘う椎川の姿に、復縁のために再び近づいてきたのではと読者も勘違いしてしまいそうですが、そううまくいきません。
真修との練習期間も終わったため、重い腰をあげて飲み会へと向かう聡子。
二人だけの飲み会かと思いきや、椎川の隣には女性が座っていました。
それぞれの左手にはまっている指輪と親しげな雰囲気から特別な間柄だと察した聡子は、複雑で虚しい想いを抱えながら帰宅していきます。
ついいつもの習慣から夜の公園に訪れてしまった聡子は、一人佇む真修の姿を見つけます。
リフティングでは好成績を収めたものの、紅白戦では散々な結果だったためレギュラー入りを逃してしまったようでした。
中学生になった際にまた頑張ればいいと励ます聡子に、今回レギュラー入りできないと続けさせてもらえないためサッカーを辞めるという暗い表情の真修。
自らを納得させるよう辞めなければいけない理由を上げていく真修の言葉は、親から押し付けられた言葉なのだと推測できます。
そこで目に入る真修の姿。伸びっぱなしの髪に、年齢と合っていないうえに手入れされた様子がない服。真修の言葉の端々からも、親からあまり構われていないことに思い至ります。
真修の複雑な家庭環境
以前に真修の母親が亡くなっていることを聞いていた聡子。
思わず真修を自宅に連れていき、風呂に入れ洗濯してあげたりと世話を焼いてしまいます。
そんな時ふと聡子が思い出したのは、過去に置き去りにされたままの自分の心。
思わず涙を流してしまった聡子を抱きかかえ、慰める真修。
落ち着きを取り戻した聡子は過去の自分を教訓に、サッカーを続けるのも終わらせるのも真修の意志でやればいいと背中を押します。
ようやく自分の本心に気づいた真修が涙を流し、辞めたくなかったと胸の内を打ち明けました。
泣き続ける真修を今度は聡子が抱きかかえ、慰めることになるのでした。
次の日の朝に家を出ていく真修が聡子にまたサッカーを教えてほしいと頼み、聡子が承諾することで再び2人の関係は続いていきます。
年齢差がありながらもどちらかが寄りかかる形ではなくお互いに寄り添い合っていく形で親交を深めていく姿は、それぞれが相手を大切に思っていることが伝わってきます。
レギュラー入りできずに嫉妬してもいい場面なのに、ひたむきにサッカーの応援を一生懸命に行う姿。
不慣れな回転寿司に戸惑いながらも、楽しそうに過ごす姿。
不注意でプールに落ちてしまった聡子に手を差し伸べる姿。
聡子との日々を過ごす中で聡子とのやり取りを素直に受け止め、感情を真っ直ぐに表す姿はとても眩しく感じますね。
明るく純粋でひたむきで、子供のはずなのにふと見せる“男の子”の表情。
担当編集者の方の厳しいチェックを受けて修正まで行われている“魅せコマ”での真修の作画。
その甲斐もあり、要所要所で魅せる透明感のある表情がとても読者の目を惹きつけます。
年齢差と真修が未成年(出会った頃は小学生)ということで恋愛ではなくただ真修の家庭環境を心配しているだけだ、と思いこむようにしていた聡子は徐々に自分の気持ちに気づいていきます。
やっと自分の気持ちに正直に向き合うことができた聡子ですが、「大人」という言葉が聡子の行動のところどころへブレーキをかけます。
しかしブレーキなどかける術も知らない子供の真修は聡子でなくても眩しく感じられます。
父親の存在を気にしつつも、目の行き届いていない部分が気になってしまいつい世話を焼いてしまう聡子。
サッカーを続けられるようになった真修が他校での練習試合に応援として行くことになると知れば、わざわざレンタカーを借りてまで送迎を行う。
サッカーを教えてくれたお礼がしたいと真修が伝えたら、一緒に行ってほしいという形でお寿司を食べたことがない真修を回転寿司に連れていく。
2人の関係に変化が!?
区民プールが開放されることを知れば、遊びに出かけたりしていない真修を連れてプールへ誘う。
プールに関してはほぼ真修が遊ぶのを見守る形で一歩引いてはいますが、行動は完全に“知り合いのご近所さん”の域を超えています。
それが他人の目にどう映るかも考えずに。
真修と2人で過ごす日々は、ある日偶然にも真修の父親と会ってしまうことで終わりを告げます。
父親と聡子との2人での会談。
真修との関係はどうなってしまうのか。
今後の真修の成長と周囲との関係含めて先が気になってしまいますね。

大人としてブレーキをかけるしかない30才の等身大の聡子の姿に『このマンガがすごい!2017』オトコ編第2位という男性からの指示を集めているのです。


当初年上男性と年下女性のカップリング予定だったものが作者の閃きで性を換えたようです。
同じ時期に「恋は雨上がりのように」が連載を開始していて、結果おねショタで成功したと言えます。
ストーリー
画力
魅力
笑い
シリアス
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「私の少年」を読んだ人におススメ
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