そうなんです。「格安」というくらいだから料金がめちゃ安なのですが、でもそれ以外の違いについてはイマイチよくわかっていないという人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、格安SIMとキャリアの違いについて解説したうえで、それぞれのメリット・デメリットについて紹介してゆきます。
格安SIMのことがよくわかっていないという人は、これを読めば完璧。
Contents
格安SIMとキャリアの違いは「自社回線の有無」
格安SIMとキャリアの根本的な違いは、自社の通信回線を保有しているかどうか。
【キャリア】docomo、au、SoftBank
【格安SIM(MVNO)】LINEモバイル、mineo、WiMAXなど

キャリアはMNO(移動体通信事業者)と言って、通信を行うために全国各地にアンテナや基地局を多数保有し、自社で運営しています。携帯電話通信の長い歴史の中でもdocomo、au、SoftBank以外のキャリアが登場しないのは、自社回線の運営に莫大な費用がかかるからです。
一方で格安SIMはMVNO(仮想移動体通信事業者)と言い、自社でアンテナや基地局を保有していません。じゃあどうやって通信サービスを提供しているの?かというと、キャリアから通信回線をレンタルしてるんですね。通信回線を保有するコストがかからないため、近年はお互いに競合となる格安SIMが続々と現れています。
料金の安さは格安SIM>>キャリア
料金面だけみると、キャリアは格安SIMに敵いません。
キャリアの場合は、自社回線を運営するコストがそのままユーザーの利用料金に乗っかるような形になっています。一方で格安SIMの場合は自社回線を運営するコストがかからない分、ユーザーに対しても低価格でサービスを提供できます。
携帯電話通信の歴史を築いてきたdocomo、au、SoftBankですが、近年は価格面の理由から格安SIMへと顧客が流れ始めているのが現状です。
■キャリア(au)の場合
※auフラットプラン7プラス (データ容量7GB)
5,980円〜/月
■格安SIM(DMMmobile)の場合
※データ容量7GB
2,560円〜/月
※通話料は別途(終日30秒/20円)※契約期間の縛りなし
※この情報は2019/08/15時点の情報です
格安SIMのメリット・デメリット
価格面では非常に強い格安SIM、もちろんメリット・デメリットの両方があります。
メリット
メリットとしては以下の4つがメイン。
- とくかく料金が安い
- 2年縛りを考慮する必要がない
- 選択肢が多い
- 料金プランがシンプル
細かく説明してみましょうかね。
とにかく料金が安い
「格安」と呼ばれるだけあって、やはり格安SIMの料金は安いです。
先ほども説明したように格安SIMは自社回線を運営するコストがかからない分、キャリアと比べて安い月額料金を実現しています。安いところでは、月々1,000円以下で提供しているサービスも。
料金の安さは、格安SIMを選ぶ最大のメリットとも言えます。
2年縛りを考慮する必要がない
ほとんどの格安SIMには、契約年数に関する縛りがありません。キャリアの場合は2年以内に解約をすると違約金が発生するケースが大半であるところ、格安SIMの場合はいつどのタイミングでも解約ができます。
2年縛りがないというだけで金銭的な負担が少ないのはもちろん、「2年は使わないと…。」という精神的負担も軽減されます。
■キャリア
(2年契約の場合)9,500円
※「契約満了月」の翌月と翌々月は無料
■格安SIM
無料
※利用開始日を含む月の末日までが最低利用期間除く
選択肢が多い
キャリアが国内主要3社のみなのに比べ、格安SIMは現在800社以上が参入しています。それだけ選択肢が多く、自分のスマホの使い方に合った格安SIMが選べ、結果としてお得にスマホを使うことができます。
料金プランがシンプル
格安SIMの料金プランは非常にシンプルで、「○円で月△GBまで使用可能」という形で設定されている場合がほとんどです。キャリアの料金プランにあるような複雑なシステムはなく、パッと見ただけで理解ができます。
自分が月々どれくらい通信するのかさえわかれば、最適なプランがすぐわかるというのも格安SIMの強みです。
デメリット
もちろん不便なこともあります。
- キャリアメールが使えない
- キャリア決済が使えない
- データ通信が安定しないこともある
キャリアメールが使えない
ひと昔前まで主流だった「〜@docomo.ne.jp」や「〜@ezweb.ne.jp」といったキャリアメールは、格安SIMに乗り換えた途端使えなくなります。つまりキャリアメールしか連絡手段がない昔の知り合いなどとは、連絡が取れなくなってしまうリスクがあるので注意が必要です。
キャリア決済が使えない
キャリア決済とは、アプリの課金代などをスマホの利用料金と一緒に支払う決済方法のことです。キャリア決済はキャリア独自のサービスであるため、※基本的には格安SIMでは使えません。
格安SIMでアプリに課金などをする場合は、クレジットカードやプリペイドカードによる支払いのみに限定されます。
※auのサブブランドであるUQモバイルと、SoftbankのサブブランドであるYmobileはキャリア決済に対応しています。またmineo(マイネオ)もGooglePlayのみ使用できるキャリア決済サービスを取り入れてます。
docomoは今のところ格安SIMのキャリア決済ができません。
データ通信が安定しないこともある
多くの人が気になる格安SIMのデータ通信速度ですが、使っている回線はキャリアと一緒なので、キャリアに劣るということはありません。しかし回線が混み合った際は、キャリアは自社のユーザーのデータ通信を優先するため、格安SIMのデータ通信が一時的に不安定になることがあります。
日常的に不便を感じるレベルではありませんが、キャリアから格安SIMに乗り換える際は留意しておく必要があります。
また、解約・契約のタイミングによっては不通期間というものが存在します。
キャリアのメリット・デメリット
もちろんキャリアにもメリット・デメリットはありまぁす。ちょっと説明しますね。
メリット
- 手厚いサポートと信頼感
- 最新機種が安く手に入る
- データ通信が安定する
- キャリア決済が便利
手厚いサポートと信頼感
キャリアは実店舗数が非常に多く、契約時に丁寧に初期設定などのサポートをしてもらえるのはもちろん、何か困ったことがあった際もすぐに相談ができます。また昔からあるサービスなので、スマホのことがよくわからないという人でも安心して使えます。
手厚いサポートと信頼感は、キャリアならではのメリットです。
最新機種が安く手に入る
キャリアの場合は2年縛りなどの条件がつくものの、割引キャンペーンで最新機種が安く手に入ります。キャリアが実施している割引キャンペーンとは、端末代金を月々の利用料金と一緒に支払うことで、合計代金が大幅に安くなるというものです。
例えばdocomoでiPhone XR(64GB)に乗り換えるのであれば、普通に購入すると99,144円となるところ、各種サービスを利用することで最大77,760円まで割引されます。
※2019年7月時点
最新機種へと定期的に機種変更するという人は、キャリアの方がお得になることもあります。ただ今後は国の方針で「端末料金と通信料金の分離」が進んでいくことになっているので、最新のスマホが安く買えるよ、ってことは少なくなるかもですね。
携帯値下げ今夏にも 改正法案を閣議決定
石田真敏総務相は閣議後の記者会見で端末と通信の分離について「利用者が通信料金のみで事業者を比較・選択できるようにする。競争の進展を通じて通信料金の低廉化が進むと考えられる」との見方を示した。
(日本経済新聞 2019/3/5)
データ通信が安定する
キャリアは自社回線によるサービスを提供しているので、通信は安定しやすいです。格安SIMが大きく劣るというわけではありませんが、回線が混雑した際などはキャリアのユーザーが優先されるため、ストレスを感じることがありません。
常に安定したデータ通信を求める人は、キャリアの方が恩恵は大きいです。
キャリア決済が便利
キャリアを使っていると、スマホの利用料金と一緒に支払うキャリア決済が利用できます。クレジットカード番号を登録する手間やプレペイドカードを購入する手間がない分、キャリア決済は非常に便利な決済方法です。
- App Store
- Google Play
- Yahoo!ショピング
- LINE STORE
- TOHOシネマズ
- 出前館
- Amazon
あたりが使いどころかな。
出張先や旅先で
ってなったときに便利&ホリエモン監修の「テリヤキ」(iOS・Android)の毎月課金もキャリア決済対応でらくらく。らくらく過ぎて毎月課金と毎年課金の2重課金してしまっていたことに最近気づきました。もう。
『TERIYAKI美食倶楽部』はグルメアプリTERIYAKIが運営する完全会員制のグルメコミュニティです。「おいしいお店の情報」「予約困難店での食事会」「WAGYUMAFIAのポップアップイベント」に参加できます。https://t.co/07ott3yzm2
— “TERIYAKI”本当にうまい店がわかるグルメアプリ (@teriyaki_tweet) December 5, 2018
キャリアによって使えるサービスに差はあるけど、あらゆるところで使えますよ〜
デメリット
- 格安SIMに比べ、月額料金が高い
- 解約に違約金がかかる
- プランが複雑
格安SIMに比べ、月額料金が高い
キャリアの月額料金は格安SIMよりも高く、頑張って節約しても料金面では敵いません。今後格安SIMに対抗してキャリアも様々なお得なプランを提供していくとは思いますが、やはり自社回線を保有するコストがかかる分、格安SIMの料金を負かすのは難しいでしょう。
料金面だけを見ると、キャリアは格安SIMに大きな差をつけられています。
解約に違約金がかかる
キャリアは2年契約を前提としたプランが基本であり、契約期間内に解約しようとすると違約金が発生します。契約してすぐに解約しようとすると2万円以上がかかることもあり、1度契約してしまうとなかなか他社へと乗り換えづらいのが現状です。
しかしデメリットと言っても、2019年秋頃からスマホ解約時の違約金を1000円にするという新ルールが施行されるため、秋以降の契約であれば解約にかかる金額が大幅に削減できる予定です。
携帯2年縛りの違約金「上限1000円」の破壊力
総務省は6月11日、携帯電話の2年契約を途中解約した場合の違約金について、上限を1000円とする省令改正案を、有識者で構成する「モバイル市場の競争環境に関する研究会」(モバイル研究会)に示した。同時に端末値引きの上限を2万円とする案も出した。
(東洋経済オンライン 2019/06/13)
違約金が1000円になれば、他社への乗り換えに必要な「契約事務手数料」と、携帯番号を引き継ぐ場合の「MNP転出手数料」を支払ったとしてもおおむね1万円あれば乗り換えが可能になります。
プランが複雑
キャリアの料金プランは、とにかく複雑です。ホームページで詳しく解説をしているものの、「〇〇割」や「〇〇オプション」という付加サービスが多く、得をしているのか損をしているのか正直よくわかりません。
素人にはわかりづらい料金プランは、キャリアに今後改善してほしい部分でもあります。
まとめ メリット・デメリットを把握したうえで、自分に合うものを選ぼう!
キャリアと格安SIMにはそれぞれメリット・デメリットがあります。料金面では格安SIMの方が優れますが、それ以外にも特徴の違いがあるので、安易に料金だけ見て決めるのは得策ではありませんよね。
乗り換えを検討中なら、メリット・デメリットをきちんと把握したうえで考えるのが良き。
キャリア決済やメールが使えなくても大丈夫だから、
とにかく「安く」スマホを使いたい!という倹約プロのあなた
→格安SIMに乗り換えよう!
2年縛りや高い通信料は我慢できるから、
キャリア決済や様々なサービスを使いこなしたいというあなた
→キャリアのままで良いと思います
