「死にたいほど悩んだときにはBLを読めばいい」と言われたことがあります。
死ぬほど悩んでなかったのですが、そこまで言わしめるBLってどうなの?とおススメBLを聞いて読んでみたところ・・・
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Amaz〇nのサジェストがずっとBLを薦めてきます。
「さんかく窓の外側は夜」あらすじ
書店員の三角は、昔から不気味なモノを視てしまう体質で、除霊師の冷川にその才能を見い出され、無理やりコンビを組まされてしまう。
冷川はすご腕ではあるが、情緒や生活能力に欠けており、お茶出しや「空気読み」など三角の出番は多い。
そんな中、ある殺人事件に遭遇し…。
日常に潜む恐ろしくかつ不思議な現象を見つけてはズバリ解決☆ 凸凹コンビの霊感エンタメ!
- BL成分が好き、もしくは可能
- いい意味で回りくどい表現が好き
- つながりが分からないという感覚が好き
- オカルト好き、目に見えないものが好き
これらの内容が面白そうだと思う人には特にお勧めしたい作品です。
そうでない人でも楽しめますが、はじめは分からない点が多く5巻ぐらいまでは根気がいるかなという印象。
「さんかく窓の外側は夜」を読んで
この漫画のカテゴリーは「非BL」系です。
しかし読んでいくにつれて漂ってくるBL臭・・・。
作者のヤマシタトモコは主にボーイズラブ誌で活躍中、ということでその匂いは嘘ではなかったようです。
ただ読んでいてBL臭に不快になることもなく、小気味いいテンポのストーリーに思わず読みふけってしまいます。
肉体的快感と精神的快感との違いはなんだろうか、というとエッチな話に聞こえるかもしれませんが、この作品の主人公三角康介(みかど・こうすけ)と、三角の特殊な能力を見出した冷川理人(ひやかわ・りひと)が除霊をするシーンは、エロティックに描かれている。
いや、描かれているのはBL雑誌連載とはいっても、生々しい肉体の結合ではなく、精神、恐らくは霊感を感じる部分の結合であって、特に除霊に慣れていない三角が、精神的快感を「感じているふう」が描かれているだけなので、男性でも安心して(?)読めます(笑)。
もっとも、精神的に「感じている」ほうがもっと生々しいのかもしれませんが。

物語は主人公の三角康介が自称:拝み屋の冷川理人と出会うことで始まります。
三角康介には霊が視える力があり、その力は冷川にとって少し特別な存在として映り「運命」と表現。
出会いがしらに冷川は三角の「体」を使って、霊の除霊を行う。
物語のスタートはこんな感じです。

<登場人物紹介①>
三角 康介 みかど こうすけ (主人公)
「霊を視る」能力に長けているため、ある事件で冷川に目を付けられ助手になった。
幼い頃から母と2人暮らし。
冷川 理人 ひやかわ りひと
経験やネットの情報を駆使して霊を退治。警察の未解決事件などにも力を貸す除霊師。
三角と冷川の出会い
主人公の三角康介は人と違う能力に苦しめられていました。
怖いものは怖い。当然です。
ひょんな出会いから、冷川の拝み屋業の手伝いをすることになった三角。
いろんな意味で変態じみた冷川に振り回されながらも、自分の力と向き合うようになっていきます。
幼いころから「見える」体質の三角は、実の母にさえそのことを言うことができず、大人になりました。勤め先の書店でも、そういう人?魂?が時折現れますが、三角は見ないふりをしています。
しかしある日、偶然、三角の書店に現れた冷川は、三角の能力を一目で見抜き、スカウトし、挙句(のちにわかるのですが)、契約と称して三角を自分と繋ぐ「契約」を結ばせてしまいます。
その「繋ぐ」が三角的には問題で、いわく、三角に説明もせずに、三角と冷川自身を霊的に(魂同士を?)繋ぐことだったわけなんですね。
そもそも三角は、これまで、霊らしきものはずっと目にしてきましたが、怖がりな性質なのでそれらから物理的に目をそらし続けてきた人。
自分に除霊なんて芸当ができるとも思っていなかったので、冷川が勝手に自分の身体(=霊的能力)を使って除霊することに戸惑いが隠せません。
そして、無遠慮に自分の身体の中に手を突っ込んできては除霊案件を繰り返す冷川に怒るのですが、怒ると同時に、なんだか社会性に欠けているらしい冷川のことを非常に人間味のある態度で、怒りながらも気持ちを寄せていくという関係になっていきます。
このことが、ふたり一組で行う除霊にさらなる効果と進化を見せていきます。
現在までにわかっていることでは
- 冷川は過去、宗教団体の肝となる存在だった
- 三角の父が現在、宗教団体を仕切っている
2人に限らずですが、この物語の霊感を持っている人たちはある宗教団体によってつながっていきます。
除霊と呪い。
三角自身は父が宗教団体を仕切っていることは知りません。
ですがこれも運命ということなのか。必然のように、父のいる場所へ向かっていく三角。
三角の心の成長にシンクロする形で物語はどんどん面白くなっていきます。
その要となるのが、冷川という存在。
冷川というキャラのいいところは「言語表現があいまい」なところ。
この作品の面白いところが、見えそうで見えない本質にあると思うのですが、その要素がもっとも込められたキャラ。それが冷川です。
冷川と三角の絶秒な関係性、恋愛関係でもなく、単なる友情でもない、不思議と引き込まれるものがあります。
2人は今後どのように物語を進めていくのか。
前述したように、三角の心の成長とともに面白くなっていくのですが、いつのまにか主従関係が変わっていたりするのです。
人間模様を描く際によくあるといえばある展開ですが、弱かった人がまわりの人や環境に適応し、強くなっていくのは見ていて面白い。
主人公の三角は、作中の中でも能力者にとって魅力的に映る存在。(要するにモテる)
読者目線から見ても、大変魅力的な存在です。
今後、冷川はジョーカーのような存在になりそう。
三角に対しては特別な感情を持っているようですが、その真意は常人には図れません。
もし、相対する「先生」(三角の父親・しかし三角も冷川もそのことは知らない)に出会ったら、その興味はコロッと変わってしまうかもしれない。
興味の対象が「人」なのか「能力」なのか。
それによって変わりそう。
結局は元のさやに戻るのかもしれませんが、いろいろと引っかき回しながら冷川自身も三角と一緒にいることで新しい感覚や経験を積み重ねます。
主には「善意」。
冷川本人いわく、三角の暴力的な善意に今後どのような影響を受け変化していくのか。
ミステリアスな展開は2人の関係に大きく左右されるでしょう。これからの展開がもっとも面白そうです。
と、あくまで霊的現象で金を稼ぐ冷川と、冷川に見出されて秘めたる能力を発揮する三角の除霊のストーリーかと思いきや、話は次第に広がりを見せ、このふたりが出会って組むことに何か大きな意味があると思える展開になっていきます。
物語を深める関係者・登場人物
中心となる三角と冷川が最も魅力的で引き込まれる存在であることに変わりないのですが、関わってくる人物も個性的で面白い性格をしています。
物語の構成を進行していくのは、作者の想いを受け表現する作中の人物たち。
空想の世界でも、そこには確かに人間関係が存在しリアルに共感したり、想像したりします。
本作品の登場人物は、霊感という特殊な感覚をもってつながっていきますが、そのやりとりは自分たちにも大変身近に感じるものが多く、さらに深く、読者を作品の中に引き込んでくれます。
生活圏がすれ違う中でそれぞれ知り合うのが、超超超現実主義の刑事・半澤、半澤が担当したバラバラ殺人に「呪い屋」として関与していた非浦英莉可、冷川と三角にきた依頼によって関わることになった占い師として霊能力を使っている迎系多、そして非浦の霊能力を使う謎の宗教団体の「先生」(「先生」自身も力を持っているよう)。
非浦のおまけとしてくっついてきている、非浦のボディガードの逆木という人物もいて、こちらも半澤同様、霊能力のないリアリストのヤクザです。
<登場人物紹介②>
非浦 英梨可 ひうら えりか
父親の命令で「呪い屋」をしているが、表の顔はただの女子高生。
迎 系多 むかえ けいた
女性に人気の占い師。心霊系のアドバイスも行う。
半澤 日路輝 はんざわ ひろき
殺人課の刑事。霊など信じない究極のアナリスト。
先生 せんせい
謎の宗教法人「掌光の教え」の代表と思われる人物。英梨可を呪い屋として導く。
非浦 英梨可
呪い屋をしているという女子高生。
言葉だけ聞くとヤバいキャラですが、父親のせいでその能力を利用されている女の子。
非浦は純粋で愛嬌のあるかわいい女の子。絶対的な力の前に考える力を無くし、命令に従い呪いを行使する。
でも本人にとってはそれが当たり前であり日常だった。
でも三角と出会い、自分で自分の運命に抗うことを意識し行動していく。
非浦には付き人として「逆木」というヤクザがいます。
この逆木がとってもいい役割をしていて。この人がいたから非浦は自分の運命に抗うことができたのだと思います。
逆木という存在
本人の過去や素性はほとんど語られていません。6巻ではじめて非浦と出会った時のシーンが描かれていました。
一番親身に非浦のサポートをし、まともではない父親に変わる親としての役割から、時には兄のように、友人のように、普通の女子高生が日常で得られるような当たり前をもたらす存在。
非浦の付き人としての仕事が始まる時、最初に言ったことが「物事の判断を自分で決めるということの大切さ。
まわりにいる大人は何かの決断を誰かのせいにしている人が多く、そんなことを覚えてほしくなかった。
後にも先にも人として最も大切な「自分で決める」ということを一番に教えてくれたイケメンなヤクザです。
迎 系多
占い師という職業柄、非常にコミュニケーション能力に長けた人。
面度見も良く、三角が冷川に悪用されないよう適度な距離感で見てくれている。
迎も除霊を行うことができるが、冷川のような力技ではなく、霊にすら寄り添い優しく解放するのが特徴。
三角も常識人として彼を頼りにしている。冷川にとっては好ましくはないのだが。
人が胸の内にかかえる、はきだしたい想い。
そのことを人から、そして霊から解放させることを得意としている。
迎が話に出てくるととても安心するのが不思議です。
冷川のように不安定さが際立つキャラをうまい具合に中和してバランスを保ってくれるような存在。
三角も成長途中という意味で不安定なので、迎という存在は作中でも読者に対しても安心感をもたらしてくれる優しい人です。そしてイケメン。
半澤 日路輝
殺人課の刑事。物語の中で語られるこの人の強みは「信じない力」。
三角たちの扱う力はその存在を認識することが必要で、対象が心から信じていないと効果がないようです。
半澤は過去、さまざまな不可解な事件に関わってきたにも関わらず、その信念を曲げない非常に芯の強い刑事。
半澤は迎とはまた違った安心感を与えてくれます。
霊感という能力をもった人の目線から見たら否定形の「信じない」になるのでしょうが、半澤の感覚からしたら自分の見たものだけを「信じている」だけにすぎません。
人間関係において大切なことは、付き合う人が偏ってしまうと思考まで偏ってしまうため時には反対意見や思考を取り入れること。
半澤は物語の中でそのような役割を果たしているのかもしれません。
実際に冷川も半澤に対して、その点を頼りにしている節があります。
先生
非浦に呪い屋をやらせ、宗教の代表を務める。
宗教の目的は分かりませんが、非浦の付き人である逆木の属している組にも入り込んでいます。
三角の父ですが、物語を読んでいる限り三角の母親・自分の妻のために、関係者の記憶を操作し家を出ることにした様子。
ある意味もっとも不安定な人物。
パンパンに膨れた風船のように、ちょっとした衝撃で破裂しそうなぐらいに不安定。
先生自身もその不安定さを自覚しているため、思い出したくないことを封印していた。
もっとも乱されるのが妻の記憶。
おそらく、息子である三角との間接的な接触により、その封印に乱れが出てきた。
その結果、自分でも力が制御できなくなり無自覚に他人や自分を壊していく。
先生になんでこのような能力があるのかは語れていませんが、三角同様に望まなかったものなのでしょう。
結婚したことによって、浄化されていた力。平穏になったと思ったら予想外のことに。
子どもが産まれたことにより再発してしまう。
この時の回想シーンを見る限り、先生は妻のため、その人に危険が及ばないようにするために出ていったようでしたが。
その後、長年封印してきた感覚が息子への怨念へと変わってしまった・・・。
霊能力を持つ人物たちは、それなりに子どものころから、その能力がゆえに苦労をしていきていて、苦労だけではなく、もはや「信じる」という行為自体に自信というか責任が持てなくなってくるほどの過酷さが実はあるのですね。
そりゃ、そうでしょう、死んだ人や魂がそこらへんに見えちゃう、中には自分を好んで追いかけてくる「モノ」もいる。
それを金もうけに使おうとする人物に利用される。
三角や迎はどちらかというと人のために力を使おうと考える性質ですが、三角をスカウトした冷川はあまり「人のため」の気持ちはなく、自分が生きていくにはこれしか知らないから、といった感じで能力を使って日々の糧を得ています。
「楽して儲けたい」という言葉が度々彼の口から出ることがありますが、それも、悪どいとかハングリーさゆえではなく、本当に単純に「お金儲かるなら呪ってから除霊すればいんじゃね?」っていう単純さで、悪気はないが、悪気がないことが怖いよねという人物です。
それにも実は、冷川の過去に大きな理由がありました。
実は冷川は、幼い頃にとある宗教団体で、その能力ゆえに神のような存在としてまつりあげられ、信者以外との外の世界とは接触しないように育てられました。
しかもそれをさせていたのが冷川の実の母親であり、そしてやがて冷川自身が自分の能力ゆえにその宗教団体を破滅に導いたという過去があります。
そんな成育環境ですから、当然、まともな社会性は身に着けられず、実母も亡くなり、宗教団体も潰れたあとには、結局、自分ひとりで生きていくにはかろうじて負の方向に向かわない程度に自分の特殊能力で金を稼ぐしかなかったということのようです。
しかし、その精神のバランスの危うさは、「呪って祓って一石二鳥」の思考に現れているくらいなので、三角と出会った意義はここにあるようです。
霊的なものを見ながらも、それが見えることを他人には言わない方が良いと判断する判断力、そういった力を善い方向へ使うは良し、悪い方向へ使うは良くないと考えられる社会性を持った人物の三角。
これが非浦となるとまた危うい。
現役高校生ですが、幼いころから「呪い屋」という役目を大人(その中には実父を含む)から命じられ、それが大きなお金を生む仕事だという認識はあるものの(非浦の住む豪邸は非浦が稼いだお金で得たもののよう)、自分の運命を甘んじて受け入れるしかないとし、自分は悪くない、させられているだけ、という思考に逃げ込んでいます。
もしも、冷川が非浦と組んでいたとしたら、結構最強の破壊的な組み合わせになったかもしれません。もっとも、冷川と非浦では、互いに負の念が強いもの同士で反発しあっていたかもしれません。
実際、非浦は冷川に、自分と冷川が組んだら、「(親や大人たちに)復讐できる」と持ち掛けます。
しかしその言葉はすぐに三角によって否定され事なきを得ました。
非浦と冷川の共通点は、生まれ持った力を第三者に利用された(ている)という点です。
特に、実の父、実の母に利用されたことによって、彼らにおいては生きていく上で、大きな欠落を産みました。すなわち、「信じること」の欠落です。
両親から無償の愛を与えられることで、子どもは絶対的な信頼をそこに感じ、育む土壌を持ち得るものですが、実の親たちから利害しか感じられなかった冷川や非浦は、無意識のうちに「信じる」ことから遠ざかっています。
霊能力を使って占い師と称して生きている迎は非浦にこう言ったことがあります。
「きみを守る大人がいなかったのは、決して普通じゃないし、きみはそれをもっと嘆いていい」
これは冷川にも当て嵌まる言葉でした。冷川がそれを実感しているかどうかはわかりませんが。
迎にそう言われるより前、非浦は偶然出遭った半澤からの追及を免れようとし、動転して、傍にいた半澤の妻に呪いをかけてしまったことがありました。
その呪いを解くよう、三角が改めて半澤と妻に非浦を引き合わせたとき、非浦は半澤の妻から「あなたが償おうとしてここにきた気持ちを信じます」と言われ、その言葉がきっかけとなり、非浦の中の何かが変わり始めます。
さらに、半澤の妻の呪いを解いた後で、非浦は半澤から言い渡されます。
「きみがしたことで、自分も妻も傷ついた。きみの行動の先に、人間がいる、いたんだと考えてくれ」と。
そこには、非浦のしたことを直截に責める言葉はありませんでしたが、非浦に「(命じられても)しない」という選択を採る勇気を暗に促すものでもあります。
しかし、非浦のボディガードの逆木は、かつてその任に就くときに非浦に反対のことを言っていました。
「今日からおれたちは気に食わねえ奴らの決めたコトに従わなきゃならない。大事なのはそれが『自分の決めたコトじゃねえ』ってコトだ」
逆木は自分が属するヤクザの組での業務として非浦のボディガードに就くことになり、非浦は実の父の命令で「先生」の主導する宜しからぬことに力を貸して「呪い屋」をしなくてはならなくなったわけですが、逆木自身は非浦に免罪符を与えたかったのかもしれません。
はからずしもそれは、非浦が「自分のせいじゃない」という思いに逃げ込むことを許してしまいました。
なので半澤が非浦に言った言葉はこれから先、非浦に自分の行動に責任を持つことを課すようになるでしょう。
つまり、「先生」の命令に屈して誰かを呪うことになった場合、非浦はこれまでは逆木が与えてくれた免罪符に甘んじて「やむを得ずしたこと」と片付けられたものが、これからは自分の決断で人を呪うこととなるわけです。
まだ高校生の非浦に、それがどれほど負担になるか、今後がかなり気がかりです。
そんな非浦を見ながら、冷川はかつて、宗教法人を崩壊させ、半澤に保護された時の自分を思い出します。
冷川はそのとき、半澤に「きみは加害者なのか、被害者なのか」と問われました。
法的には責任能力のない年齢だったのでしょう。
しかし冷川の心にはその言葉が棘のように今もつきささったままです。
それゆえか、冷川は三角を「自分の運命」と呼び、執着します。
非浦でもなく、迎でもない、あくまで三角なのです。
三角は物心ついたころから母と二人暮らしですが、陽気な性質の母に育てられたせいか、冷川や非浦と比べて明るさがあります。
実はこの母が大きなキーパーソンで、三角には父親が不明であるという出生の秘密があるのでした。
この不明というのもまた不思議な話で、母親が留守の間に父親が消えてしまったということ、父親であったはずの人物の顔が母親には思い出せないという話です。
「話したくないな」という母の一言でシャットアウトされてしまうこの三角の秘密。
読者には、絵から見当がつくのですが、「先生」が三角の実の父親なわけです。
陰なるものを見て祓う力のある三角と、非浦の力も借りつつ禍々しいことを行う「先生」が恐らく親子で、その「先生」の宗教団体は、探ってみれば元は冷川が潰した宗教団体を引き継いだもの。非浦は今の「呪い屋」をやらされている状況から逃げ出したい、三角は持ち前の人の良さでそれを助けると言う、となると、いずれは三角は実の父親である「先生」と対決することになりそうですね。
まるでフォース(霊を見て祓う力)とジェダイ(三角)とダークサイド(「先生」)! 陰と陽の対立、因縁と切り離しがたい血の繋がり、それらは常に大きな葛藤のドラマを生み出します。
とここまで紹介してきましたが、ひと言で感想を述べるなら「不気味」
全くもって「不気味」
何が“正常“な感覚で、そうでないのかわからなくなってしまいます。
気味の悪さから平静を保とうとする三角。霊など目に見えないものを信じていない刑事。
そのふたつで自分の“正常”な感覚が保てるような感覚。
普段、自分は見たくないものには目をふさいでしまえるけれど、見たくないものを見なきゃいけない感覚が気持ち悪いのかもしれません。
ストーリー
画力
魅力
笑い
シリアス
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「さんかく窓の外側は夜」を読んだ人におススメ
「違国日記」ヤマシタトモコの感想!ただ寄り添い静かに肯定してくれる優しさを描いた物語
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