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「最遊記」峰倉かずやの感想!漫画だと侮るなかれ

「最遊記」シリーズは同人誌から始まり、メジャー誌連載・ドラマCD・オリジナルビデオアニメ・テレビアニメ・ラジオ・劇場版・小説版・実写・舞台化と20年以上もの間人気コンテンツとして取り上げられています。

そんな「最遊記」の魅力をご紹介!

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「最遊記」あらすじ

天地乱る混沌の時代、人と妖怪が共存する“桃源郷”で突如妖怪が暴走し、人間を襲い始める。

地獄絵図と化した桃源郷の異変を止めるため、超鬼畜生臭坊主・玄奘三蔵は、元気な小猿・孫悟空、すっとぼけお兄さん・猪八戒、エロ河童・沙悟浄とともに西を目指す。

西遊記をモチーフに魅力的なキャラクターが活躍するスタイリッシュアクションの開幕!!

Amazonより引用

ヨンダリ
ヨンダリ
ちょっとだけ詳しいあらすじ!

遙か昔、人間と妖怪は共存していた。

しかし、桃源郷の異変によりマイナスの波動が中国全域に蔓延する。

妖怪達は自我を失い、人間を襲い始める。

この原因を突き詰め、また牛魔王の蘇生実験を阻止するべく、

勧善音菩薩から命を受けた三蔵は悟空、沙悟浄、猪八戒を従え遥か西を目指す。

 

出典:最遊記

「最遊記」を読んで

三蔵と悟空

三蔵法師の法名を授かり、師である光明三蔵法師から聖天経文と魔天経文を託された三蔵は拭いきれない己の過去を抱え、それを払拭するように幾多の妖怪を殺めて旅を続ける。

遥かなる天竺への旅には危険が伴い、牛魔王の刺客が途絶えることはない。

そんなとき、声が聞こえた。

誰かを呼ぶ声。

どこからか聞こえる声。

アニメでも映画でも使われる感動的なワンシーン。

最遊記における全ての物語は、三蔵と悟空の絆はここから始まる。

斉天大聖孫悟空は全ての記憶を失い、岩牢に閉じ込められ、長い長い年月を孤独に過ごす。それは500年にも及ぶ。

春と夏が過ぎ、秋が来て、寒く冷たい冬を迎える。

その四季の移り変わりを、悟空は冷たい岩牢の中で1人見ている。

誰かを呼ぼうにも、その名前すら出てこない。

自分の名前さえも分からない。

声なき声。

その声が届いたのが三蔵でした。

「あまりにも俺を呼ぶ声がうるせえから、一発ぶん殴ってやろうと思った。でも、あんまりにも間抜けヅラで俺を見上げるもんだから殴る気が失せた。連れてってやるよ…。仕方がねえから。」

手を伸ばした三蔵を見上げる悟空。

三蔵の金色の髪に後光がさす。

 

ある日、名前を欲しがる悟空に三蔵は名前を付ける。

「…悟空。」

無邪気に喜び、自分の名前を連呼する悟空。

猪八戒と沙悟浄

八戒の旧名は猪悟能。

猪悟能は天涯孤独の身だったが、生き別れた姉がいた。

名前は、花喃。

その姉と偶然に出会い、小さな街で恋人として一緒に住み始める。

猪悟能は小さな塾で働き、二人で食べる分には、それほど困っていなかった。

平凡ではあるが、初めての幸せを感じる日々。

しかし、猪悟能が働きに行っている間に、恋人の花喃が百眼魔王にさらわれてしまう。

猪悟能は恋人の危機も知らずに呑気に生徒と遊んでいたことを悔やみ、己を責め続ける。

やがて猪悟能は百眼魔王の城を探し出すことに成功する。

単身城に乗り込み、怒り狂った猪悟能は999人の妖怪を虐殺。

花喃が好きだったという、猪悟能の両手は真っ赤な血で染まる。

死ぬ想いで助けに行ったものの、花喃は百眼魔王の子どもがお腹にいることを伝え、猪悟能の目の前で自殺する。

最後の1人である、百眼魔王の息子を殺した猪悟能は1000人の妖怪の血を浴びることになり、人間から妖怪へと転生する。

古(いにしえ)からの言い伝えは本当だったのである。

 

命からがら、百眼魔王の城から脱出した、猪悟能。
雨の中で行き倒れ、死にかけている大量虐殺の罪人である彼を救ったのが沙悟浄。

後日、なぜ助けたんですか、と聞かれた沙悟浄はこう答えている。

「俺を見て笑った気がした。」

沙悟浄の家で怪我も治り、元気を取り戻した猪悟能。

しかし、そこに指名手配犯である猪悟能を追いかけている三蔵と悟空が現れる。

追い返そうとする沙悟浄。

三蔵の発射で乱闘になるものの、猪悟能が銃を奪い再び逃走する。

行き先は、再び百眼魔王の城。

しかし、城は数日前に誰かが火を放ったことにより全焼していた。

跡地を前に、三蔵は経を唱える。

一切の迷いを打ち消すような曇りのない声。

このシーンで、最後に三蔵が言った言葉が忘れられない。

「俺が経を読むのは、死んだ者のためじゃない。」

こうして4人は、黄金の元に集ったのである。

猪悟能は、後日、三蔵の口添えにより猪八戒と名乗ることになる。

「西へ」

天竺に近づくにつれ、牛魔王の刺客が次々と現れる。

その刺客の中でも、異端を放ったのがチンイーソー。

八戒が1000人の妖怪の血を浴びることで、人間から妖怪になった瞬間に立ち上った、百眼魔王の城の最後の1人。

八戒の過去を歪め、心を壊そうとするチンイーソー。

しかし、三蔵とのコンビで、チンイーソーを殺し、過去と決別する八戒。

最後の、八戒の台詞がメチャメチャかっこいい。

また、沙悟浄と悟空との生命線のやりとりも、心温まる名シーンの1つ。

こうして各々、前を向き、再び西へ向かうのである。

出典:最遊記

宿敵:紅孩児

どんどんと西へ行くにつれ、牛魔王の息子である紅孩児も現れる。

牛魔王を父にもつ彼は、何の為に、誰の為に戦うのかに思い悩む。

愛すべき母を救うため、大切な仲間を守るため、紅孩児にも負けられない理由がある。

戦いを重ねるごとに、不思議な友情と憎しみに結ばれる紅孩児達と三蔵達。

しかし、後ほど紅孩児が科学者:ニイ博士に洗脳されることにより、様相は一変するが。

紅孩児の仲間には、独角といって沙悟浄の腹違いの兄もいる。

兄である独角と再会する沙悟浄。

個人的には凄く好きなシーン。

母親に殺されかけた自分を守るために、兄は母を殺し罪を犯した。

ずっと、そのことに悩まされ、自分が生きていることにさえ罪を感じていた沙悟浄に独角がかけた一言で救われる。

兄に会ったら何て言おうか。

何て謝ろうか。

何も言わなくても、二人が分かり合う感動的な瞬間。

兄に対する、色々なわだかまりが溶けて、沙悟浄が力強く一歩を踏み出していくシーンである。

三蔵の過去

三蔵もまた、己の過去を抱えながら戦い続ける。

三蔵には師と仰ぐ光明三蔵がいた。

三蔵の幼名は、江流。

雄大に流れる揚子江からとり、師である光明三蔵が名付けたのである。

親も知らない三蔵だったが、雄大に流れる揚子江になぞらえたのなら悪くないと気に入っていた。

しかし、妖怪の襲撃を受け、光明三蔵が目の前で殺されてしまう。

すぐに三蔵は山を下り、師の敵である妖怪を討つことを決意。

その時に手に取ったのが、いつでもこめかみを打ち抜けるサイズの拳銃だった。

三蔵法師の称号を貰い、経文を肩に三蔵は旅を続ける。

金閣、銀閣、そしてカミサマ

旅が進み、三蔵一行は小さな町で金閣・銀閣と出会う。

カミサマに心酔し、人殺しを重ねる金閣・銀閣。

幼い金閣は、異形の姿となった弟を救うため、カミサマの言葉を信じて人殺しを続ける。

自分にとって絶対的なもの?

それは何?

それは誰?

何のために、誰のために生きる?

結局、金閣も銀閣もカミサマに裏切られ、殺されるのだが、考えさせられる一言だった。

 

カミサマにとっては、金閣・銀閣の命も、生きることさえもゲームだったのである。

三蔵一行も、一度はカミサマに敗北を喫する。

しかし、手負いの獣となった悟空を筆頭に再び立ち上がる。

初めて個々の力ではなく、チームで戦うということにした三蔵一行。

悟空、沙悟浄、八戒が犠牲となり、三蔵がカミサマを打ち抜く。

そして、最後にカミサマを操っていた烏哭三蔵法師が登場する。

この烏哭三蔵法師との出会いが、最遊記リロードにつながるのである。

出典:最遊記

「最遊記」まとめ

漫画でもあるが、哲学書でもある最遊記。

例えば、こんな言葉が出てくる。

【無一物】

「祖に会えば祖を殺せ。仏にあえば仏を殺せ。誰にも、何者にも縛られず、あるがままに己を生きること。」

玄奘三蔵が唱える無一物である。

あなたの唱える無一物はどういったものか?

最遊記は全編を通して訴えかけてくる。

心の深い部分が突き動かされるような漫画。

峰倉かずやが描く、魂の作品。

是非一度ご一読を。

ストーリー

画力   

魅力   

笑い   

シリアス 

ヨンダリ
ヨンダリ
みんな恰好良いね!

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