峰倉かずや先生の大人気漫画、最遊記シリーズ。
アニメ化に映画化、ミュージカルにまでなっている漫画です。
今でも「最遊記リロードブラスト」として連載中。
人気は衰えることを知りません。
三蔵、悟空、悟浄、八戒の4人が天竺を目指して、強く逞しく旅をするアドベンチャー漫画。
今日は最遊記の続編である、「最遊記リロード」を紹介したいと思います。
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「最遊記RELOAD」あらすじ
妖怪が暴走する事件の原因を究明するために西を目指す玄奘三蔵とその従者たち。
行く先々で妖怪を退治し、おたずね者となってしまった一行は、姿をかくして旅を続けるが……。
最遊記、新シリーズスタート!!

「最遊記RELOAD」を読んで
人間と妖怪が共存していた桃源郷。
しかし、突如暗雲が立ちこめる。何者かによるマイナスの波動により、妖怪達が自我を失い暴走する。
この異変の元凶となっている原因を突き止めるため、三蔵一行は西へと向かう。
リロードの舞台は最遊記から半年後、旅に出てから1年が経った桃源郷が舞台です。
基本的なストーリーは最遊記と変わっていません。
しかし、最遊記のラストシーンに出てきた烏哭三蔵法師がリロードでは暗躍します。
他にも西洋から来た魔術師ヘイゼル=グロースと従者のガトが出てきます。
大阪弁を話す怪しさ満点のヘイゼルが、三蔵一行達とどう関わっていくのかも見所の1つです。
ひたすら夕陽に向かい、西を目指す三蔵一行。
今作も激アツです。
須く、読め。
最遊記RELOAD登場人物

玄奘三蔵
深い紫の瞳に、金糸の髪。
暗い夜に浮かぶ満月は三蔵の後光となる。
両肩に三蔵の証明である経文をかけ、右手には拳銃。
己が三蔵法師であることに存在意義を感じる誇り高き男。
師は光明三蔵。
江流と呼ばれた時から、心は光明三蔵に捧げていた。
その師の敵を討つためにも、経文を取り戻すためにも…様々な思いを胸に旅を続けている。
常に強くありたい、誰にも、何ものにも縛られたくない。
ただ、あるがままに己を生きること。
三蔵の力強い生き方には、読者も共感を覚えるはずです。
悟空
最遊記外伝でも少しお話ししましたが、悟空は天界において罪を犯し、記憶を消されて岩牢に閉じ込められていました。
その歳月は500年。
ひたすら誰かを呼び続ける悟空。
声にならない声。
目の前に広がる外の世界に飛び出したくて、触れたくて…。
「うっせーんだ、バカ。」
声をかけた三蔵の手をとり、悟空は外の世界に出ることができます。
三蔵一行の中では、弟分的な存在の悟空。
言葉を発したと思えば、
「腹減った。」
悟浄曰く、バカで短足で脳みそ胃袋の燃費の悪い猿だそうです。
そんな悟空ですが、本作では大人になった一面を覗かせます。
旅の途中に寄った村では、初恋のような場面も描かれています。
悟空の男気溢れる別れのシーンには涙が止まりません。
「飯がうまかったんだ。それを伝えたかっただけ。」
悟空らしい愛情表現に胸が打たれます。
戦闘では、最遊記本編と変わらず圧倒的な強さを誇っています。
成長を続ける悟空に是非注目してください。
沙悟浄
最遊記では、途中で旅をやめようとしたり、何かとお騒がせな悟浄。
それはリロードにおいても変わりません。
そこがまた格好いいのですが。
赤い瞳に長い髪は、妖怪と人間の間にできた禁忌の子であることの証明であり、呪縛です。
また、実の母親に殺されかけた癒えない傷ももっています。
それらを乗り越えようとする、男前の姿に読者の心は惹かれるはず。
気分屋なところがあり、女好きな悟浄は魅力満載です。

八戒
片耳に妖力制御装置のカフスをして、義眼のイケメンといえば八戒です。
メンバーの中では、気功術を用いて妖怪を倒したり仲間を怪我から回復させたりすることができる唯一のメンバーです。
心優しい表情とは裏腹に、怖い一面をもっているのも魅力の一つですね。
旅の運転は常に八戒で、悟浄曰く、「オフクロみたい。」だそうです。
車に変身してくれるジープにも優しい配慮ができるからこそ、三蔵一行のオフクロですね。
ヤクモ
古くから村に伝わる鳥葬を一人で守り続ける妖怪。
負の波動を受け、暴走してしまう子供たちをこっそり殺し、死体を鳥に食べさせ天に返すことを繰り返してきた。
妖怪と人間の種族の狭間に揺れ、残酷なまでの運命を受け入れて、一人で大切なものを守り続けていた妖怪です。
村の子供たちを殺していたことが発覚してしまった時のセリフが印象的です。
「俺は何かを間違っただろうか。生きるための住処を与えながら、暴走した子供は殺していく。それが矛盾だってことは分かってた。だけどこうするしかねえじゃねえか。俺はただ守りたいと…。」(ヤクモ)
この現実を目の当たりにした悟空。
自身も負の波動により、暴走してしまうかもしれないという恐怖に襲われます。
「三蔵あのさ、もし、もし俺が……やっぱなんでもねえや。」(悟空)
「…殺してやる。殺してやるよ。」(三蔵)
全てを言い切れない、悟空に対しての三蔵の答えでした。
ヘイゼル=グロース
最初は三蔵一行の敵として現れた感じでしたが、最後は味方となり一緒に烏哭三蔵法師と戦ったヘイゼルでした。
自分の中にあるもう一つの人格に打ち勝ち、烏哭に立ち向かっていく姿には感動します。
従者のガトを消され怒り狂うヘイゼル。
そこには、ガトの生死を自由に操る傲慢な姿はありませんでした。
旅を共にした友のために戦うヘイゼルでしたが、最後は烏哭にやられ、崖から転落し記憶をなくしてしまいます。
目を覚まし、村のベッドの上でガトの形見を見つめ涙するシーンには多くの人が泣かされたことでしょう。
原作とアニメでは、ここのヘイゼルの終わり方が微妙に違うのも興味深いところです。
西洋からやってきて、父親のように慕っていたフィルバート司教を妖怪に殺され憎しみの塊になっていたヘイゼル。
まるで妖怪を殺すことだけに生きる意味を見いだしてるようでした。
妖怪の魂を1つ、2つとモノのように数えるヘイゼル。
しかし、三蔵一行と行動を共にし、魂はストックするものではなく、妖怪の魂も人間の魂も同様にして扱うようなる姿には命の重みを考えさせられます。
リロードは全巻を通して、「一寸の虫にも五分の魂」や「人間と妖怪の命の重さ」の意味を投げかけてきます。
きっと、峰倉かずやさんが掲げていた一つのテーマだと思います。
西洋からやってきた大阪弁を話す陽気な兄ちゃん。
どこか憎めないヘイゼル・グロースです。
紅孩児
最遊記に比べると、リロードではあまり出番がなかった紅孩児です。
孤高の王子様を見られないのは、少し寂しい感じがしました。
しかし、そんな中でもしっかりと見せるべき時は見せるのが紅孩児。
牛魔王蘇生実験の渦中に巻き込まれ、自分をモルモットのように操ろうとする你健一に対して紅孩児が言った台詞が男前です。
普段から母親や妹、独角に八百鼡を大切にしている紅孩児だからこその台詞だと思いました。
「あんた、前に言ったな。大事なものは手放すなと。俺にはたとえ離れることがあったとしても、何度でも差し伸べてくれる腕がある。あの時、光が見えた。あんたには分からんだろうがな。」
人格を塗り替えられそうになった時、自分を助けてくれたのは大切な仲間だと。仲間や家族に対する深い愛情が感じられる場面でした。
烏哭三蔵法師
己の術によって、全てを無に帰すことができる烏哭三蔵。
その強さは計り知れず、漆黒の瞳には吸い込まれそうになる。
三蔵一行をボロボロに、ヘイゼルやガトをも消してしまうほどの強さです。
光明三蔵とも繋がりがありましたが、誰よりも抜きん出た実力を持ちすぎていたために、光明は烏哭の将来を危惧します。
烏哭の闇は深く、一寸の光も許さないほどです。
生きる意味を見いだせないのか、見いだしてないからこその強さなのか。
烏哭の哲学的な言葉は興味深いです。
「食うか食われるかってとこにいないと、生きてる感じがしない。本当は手に入れたいものなんてないんだ。勝って勝ち続けて、皆誰かの屍を糧に生きてんじゃないの。生きるって事は他人を食い続けることなんだ。」(烏哭)
「例えば、あんたが月で僕が夜ならね。飲み込まれるのはどっちかな。」(烏哭)
「賭けてみましょうか。烏哭。」(光明三蔵)
「いいね、何を賭ける?」(烏哭)
「そうですね。次に登る太陽を。」(光明三蔵)
最遊記リロードを代表する名場面です。
この光明三蔵とのやりとりからは光と陰。
信じるものが、ある者とない者のコントラストが読み取れます。
生き様も対照的な両者。
最期に生き残るのは…。

最遊記リロードの紹介でしたが…、リロードでは天竺には着きません。
全然着きません。
まだまだ、旅は続きます。
山あり谷あり、寄り道ありの三蔵一行です。
でも、そんな彼らの生き様は如何なる説法よりも時として雄弁です。
何故か、彼らの生き様には強烈に引きつけられてしまいます。
牛魔王蘇生実験の阻止はできるのか。
負の波動を止めることはできるのか。
烏哭は、紅孩児は?
引き続き、「最遊記リロードブラスト」に期待!
ストーリー
画力
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笑い
シリアス
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