いえ、そんなことはありません。
「格安SIM=安い=品質は悪い」と思われがちですが、決してそんなことはありません。
しかし「100%そんなことはなく、全く同じ速度が出る」かというとそうではなく、少し微妙な問題なのです。
この記事では、その微妙な部分をわかりやすく説明し、「格安SIMって本当は速度が遅いんでしょ?」という誤解について説明したいと思います。
Contents
「格安SIMだと遅い」という噂は本当なのか?

結論から言うと「理論上はキャリアよりも格安SIMの方が遅いが、ユーザーがそれを体感できることはほとんどない」です。
格安SIMは大手キャリアから回線を借りて運営されている
格安SIMのキャリアは今や数十社存在します。つい十年ほど前までは、ケータイ電話といえば「ドコモ、au、ソフトバンク」の三択だったことを考えると、数十社も存在するのはかなり多く、全てを把握することはなかなか難しいです。
しかしそのたくさんある格安SIMキャリアには共通点があります。
それは「大手キャリアから回線を借りて運営している」という点です。
ここで言う「大手キャリア」とは、ドコモ、au、ソフトバンクのことです。この3社からインターネットの回線を「借りて」運営されているのが格安SIMキャリアなのです。
もちろん大手キャリアは自分たちのユーザーのためにたっぷりと回線に余裕を残しておかないといけませんから、格安SIMに貸し出すのはほんの一部だけです。
格安SIMキャリアは、大手キャリアから借りた少ないネット回線をユーザーで分け合っているので、時間帯や地域によっては回線が混み合い、ネットの速度が遅くなります。ちょうど、高速道路が渋滞しているようなイメージで、狭い道(回線)を多くの車(ユーザー)が通ろうとするけど、全く前に進まない状態になってしまうのです。
大手キャリアでも「遅い」と感じることはある

ただこれは、なにも格安SIMだけに起こることではありません。大手キャリアにすれば、24時間いつだって快適ネット回線が保証されているかというとそうとは限りません。
むしろ、大手キャリアの方がユーザーが多い分、人が多く集まる場所や時間帯での影響を受ける可能性は高いとも言えます。格安SIMが登場する以前から「ネットが遅い」という悩みはあったはずです。
その時間帯や場所で、どのキャリアのユーザーがどのくらいアクセスしているかによって、速度は刻一刻と変化するので、一概に「格安SIMだから遅くなる」「大手キャリアだから早い」ということは言えないのです。
「格安SIMだから遅い」と思っているその瞬間、同じ場所にいる大手キャリアの人だって遅くてストレスを感じてる可能性だってあるのです。
時間帯によって遅くなるスピードが存在する
このように、格安SIMにしろ大手キャリアにしろ、ネット回線速度が遅くなる条件はほとんど同じです。代表的なものが「時間帯」です。
多くの人がインターネットに接続する時間はネットの速度が遅くなる傾向にあります。
オフィス街であれば平日の12〜13時のランチタイム。
住宅地であれば、22時以降の寝る前の時間が一般的にもっとも混み合う時間です。
地域によって遅くなる地域が存在する
地域によっても速度差がでてきます。
新宿や渋谷のような人口が密集する地域は、とくに日中はネット回線が遅くなる傾向にあります。
また、大規模なスポーツのイベントや、人気のアイドルやミュージシャンのコンサートがある会場やその駅などは、そもそも用意されている電波の回線の数に対して圧倒的な人数が押し寄せることで、誰もが体感できるくらいに速度が遅くなるでしょう。
しかしそれも、格安SIMだからということではなく、同じ場所で大手キャリアの方も速度が遅くなっている可能性も十分にあることを考えると一概に「格安SIMの方が遅い」とは言えないのです。
使っているアプリ、見ているページによっては「遅い」と感じることもある
さらに問題をややこしくしていることがあります。
それは「ネットが遅い」と感じるとき、実はネット回線そのものに問題があるのではなく、アプリ側、あるいは本体側の問題なこともあります。
ホームページを読み込むとき、あまりにも高解像度の写真がたくさん載せられていると、そのページを開くのには時間がかかりますが、これは「ネットが遅い」わけではありません。
同じく、使用しているアプリの内部で不具合があったり、アプリの利用者が多すぎてサーバーが混雑してしまうこともあります。
このように、消費者からは見えにくいところで「ネットのスピードが遅い」と感じる事象は起こっているので、あまり短絡的に「ネットが遅い!」「格安SIMは遅い!」と言ってしまわないように注意しましょう。
理論的な「最高速度」がでることはほぼない
スマホの速度について考えるときに、もうひとつ注意点があります。
それは「理論上の最高速度が出ることはほとんどない」という点です。
現在のスマホ回線は、大手キャリアも格安SIMも含めてほぼ全てが「4G回線」と呼ばれる回線で、その最大速度は75Mbpsです。
しかしスピードテストアプリなどで測定しても、その速度は10〜30Mbpsも出ればいい方で、10Mbps以下のこともよくあります。
それは別に変なことではなく、そういうものなのです。75Mbpsというのはあくまで理論値で、そこからいろいろな速度が低下する要因があって、10分の1〜5分の1が実測値の目安です。
格安SIMのメーカーによって速さが違う!おすすめキャリアは?
では、少しでも速度の早い格安SIMはどのキャリアでしょう?
この記事で散々書いてきたように、ネットの速度は様々な要因で変わるものなので一概に「ここなら速い!」とおすすめすることはできません。
それどころか、人気のある格安SIMキャリアはユーザーが集まりすぎてしまい、結果的に回線が混雑して速度が遅くなる、ということもありえます。
このように一言では言えないことが多いですが、一般的に「速度が速い」と言われている格安SIMキャリアを紹介します。
Y!mobile

Y!mobileは、数少ないソフトバンク系列(ソフトバンクの電波をの格安SIMキャリアです。
様々なブログやメディアで格安SIMの速度調査を行なっていますが、そのほとんどで上位に食い込み、たびたび1位認定を受けているのがY!mobileです。
格安SIMの中では料金は高い方で、どちらかというと「格安SIMと大手キャリアの中間」くらいの立ち位置ですが、速度が速い安心感が欲しい方にはおすすめです。
UQmobile

UQモバイルは、ポケットWi-fi大手のUQ Wi-maxを提供しているUQコミュニケーションズが運営する格安SIMキャリアです。
ポケットWi-fiで運用しているノウハウが十分にあるので、とても安心感があります。
TVCMも多く流しているので安心感もあるので、どんな人にもおすすめできます。
楽天モバイル

楽天モバイルの特筆すべき点として「データを使い切っても1Mbpsの速度が出る」という点にあります。
普通は、その月のデータ容量を使い切ってしまうと200kbpsという速度になりますが、楽天モバイルはこの5倍の1Mbpsの速度となります。
1Mbpsであればネット上のほとんどのことには不便を感じず、動画の解像度が落ちるくらいです。200kbpsだとウェブの閲覧はほとんどできませんでしたが、楽天モバイルなら、データ容量を使い切っても最低限の快適さは保たれているので安心です。
「とにかく速いスマホ」よりも「遅くならないスマホ」がいいのでしたら、楽天モバイルがおすすめです。
まとめ
格安SIMが大手キャリアより遅いのかどうかの問題は、ずっと議論されています。
しかしこれは「気にする人は気にするけど、気にならない人はならない」レベルの問題ですので、気にならない人は周りの声など気にせず、上に紹介した格安SIMキャリアを選んでしまうのは一つの手かなと思います。
わかるかわからないかの速度を気にするより、毎月数千円安くなる方が絶対にお得だと僕は思います!