約20年前に連載が開始された本作は、当時の日本の現状や政治の問題を分かりやすく教えてくれます。
単なる娯楽作品にとどまらない、日本の社会や政治の悪しき部分にフォーカスした点は高い評価を受けています。
令和の時代を迎えた今も、日本は天下りの問題や政治家の汚職など、連載当時から一向に改善されない課題が山積しています。
このような社会問題を克服するために必要なことは、まず我々国民が政治に関心を持つこと!それには本作のように読みやすくて日本の問題点が良くわかる漫画が最適なのでは!
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「クニミツの政」あらすじ
「腐った政治をぶちのめす!」
――姓は武藤、名は国光。
中学中退、出前迅速。
喧嘩と祭りに生きると決めたが、気付いちまったぜ!“ニッポンは腐ってる”ってよぉ!
小さいオツムにどでかい心、政治家秘書・クニミツの波乱万丈、世直しものがたり、ここに開幕!
「生まれは大江戸八百八町。下町名物武藤蕎麦七代目。当年とって齢18」
これが武藤国光の自己紹介のプロフィールです。
その江戸っ子クニミツは、某県の片田舎にある新千葉ヶ崎市にやって来ます。
それは、「この国の政治を変えてみせる」という志を遂げる第一歩として、師事する代議士の紹介により元県会議員・坂上竜馬の秘書になるためでした。
しかし、そこは私利私欲にまみれた政治家が跋扈する、不正と汚職にまみれた悪徳政治の温床だったのです。
こうした様々な不条理に対し、男クニミツは持ち前のバイタリティと真っすぐな心根で、真っ向勝負で立ち向かっていくのでした。

「クニミツの政」を読んで
日本の政治の仕組みを理解するにはこの漫画を読めば良いくらいの名作です。
政治の仕組みと腐敗の問題・・・
よくある夏休み中の課題図書や社会の授業の副資料としても良いくらい日本という国の仕組みや政治・経済、果てには薬害などの問題もしっかりと描かれています。
真の政治家・坂上竜馬
坂上竜馬は、クニミツを秘書として雇った時、浪人中の身で貧乏に喘いでいました。
初めてクニミツと会った場面では、借金取りのヤクザが押しかけて来たと勘違いし、命乞いをする体たらくです。
しかし、名市長と謳われた父・坂上竜太郎の跡取りだけあって、政治家としての高い志とビジョンを持ち合わせていました。
そして、温厚篤実にして清廉潔白を旨とする尊敬すべき人格者でした。
政治の世界に飛び込んだばかりのクニミツにとって、この坂上竜馬という政治家との出会いは幸運だったに違いありません。
それは妻を亡くし、浪人として過ごすうちに覇気を失いつつあった、坂上竜馬も同様です。
「人は人とめぐりあうことで、いくつになっても変わることができる」
その出会いがあればこそ、後に武藤国光というダイヤの原石が眩いばかりの輝きを放つのです。
たとえ世代や性格、育ってきた環境が違えども、“この国を少しでも良くしたい”という思いがあれば、固い絆で結ばれた同志となれる、そんなことを教えてくれる人です。

クニミツの政デビュー
クニミツが関わった最初の選挙。
それは坂上竜馬の娘・明日香が通う高校の生徒会長選挙だったのです。
しかも、クニミツ擁する生徒会長候補は、一見すると何の取柄もない平凡を絵に描いたような御手洗大でした。
それに対して、相手陣営は現新千葉ヶ崎市長の息子擁する、城戸雄介という華のあるイケメンでした。
選挙の行方は投票を待つまでもなく、誰の目にも明らかだと思われました。
しかし、クニミツの終生の相棒となる「コーメイ」こと吾妻光明のアドバイスも功を奏し、投票が近づくにつれ肉薄します。
地味ながら、誰よりも母校のことを考える御手洗大の人柄が生徒達の心を打ち、見事生徒会長に当選するのでした。
武藤国光、吾妻光明、周囲の仲間、そして御手洗大という神輿。
そうした人の和があってこそ成就した“クニミツの政”の初陣でした。
坂上竜馬の親心
本作最大の戦いである市長選。
両陣営の秘術を尽くした戦いの末、坂上竜馬がわずか1票差で市長に当選します。
縁の下で支えたクニミツ達の力添えは、たしかに選挙戦を勝ち抜く大きな原動力になりました。
ですが、わずか1票の明暗を分けたのは、候補者の資質の差だったのではないでしょうか。
政治家としての力量、怜悧さでは、不破俊一に遠く及ばなかった坂上竜馬。
その坂上竜馬が不破に唯一勝っていたもの、それは故郷・新千葉ヶ崎を思う真心でした。
「この街を少しでも良くしたい。この街に住む人々を少しでも幸せにしたい」
そんな坂上竜馬の思いが、たかが1票、されど1票の差になって実を結んだのでした。

坂上竜馬新市長のもと、改めて秘書として尽力する決意をするクニミツ。
しかし、そんなクニミツに思いもよらぬ出来事が起こります。
それは秘書をクビになるというものでした。
実は、これは坂上竜馬の親心だったのです。
身を切られるような心の痛みを押し隠し、若いクニミツのためを思えばこそでした。
クニミツは旅に出ることを決断します。
この国のことをもっと知るためには、教科書を開いてみても始まりません。
自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自分の足で調べて、初めて本当のことが分かるのです。
こうして、男国光はニッポンを変えるため、新たなスタートを切るのでした。

ストーリー
画力
魅力
笑い
シリアス
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