ロリータファッションを着るのは確かに勇気が必要なのかもしれない・・・
そして「ロリータファッション」はかわいい=かわいい女の子が着るものだ、とどこかで決めつけていませんか。
ロリータ服を着たい主人公の女の子はかわいい系ではなく恰好いい系の背の高い女の子です。
けれどもやはり「自分の着たい服を着る方が一億倍気持ちいい」に決まってますよね。
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「着たい服がある」あらすじ
「自分らしさ」とは、何か。
女子大生マミの、誰にも言えない「秘密」。
それは、「ロリータファッション」に憧れていること。
だが、周りから求められる「自分」と、
本当に自分がなりたい「自分」にギャップを感じるマミは、
着たい服を着ることに臆病になってしまい……。pixivコミック:https://comic.pixiv.net/works/5764

「着たい服がある」を読んで
この漫画を読んでものすごく既視感があるなあと思っていて・・・何かと必死に思い出してみたものは『コンプレックス・エイジ』という漫画でした。
コンプレックス・エイジの方はコスプレでしたが、ロリータ服も一種のコスプレなのかもしれません。
しかし、単なる服飾漫画だと思ったら違います。
「マミの事は私が一番よくわかっている」と言いきる母親にロリータを着ている写真が見つかってしまったマミ。
娘に自分の知らない部分があったことにショックを受け、そんな服全然似合っていないと否定されてしまったことがきっかけで親子喧嘩をしてしまいます。
そんな2人も最終的には仲直りし、一緒にロリータの服が売っている店へ買い物にでかけるのですが、母親は服を見ているうちに「私も着てみようかしら。私も昔はお姫様に憧れていたもの」と言って、ロリータを試着しました。
そして鏡に映った自分の姿を見て涙します。
この後マミは、「無理して私の趣味を理解しなくていい」と母を宥めますが、母親は娘の理解に苦しんでいたのではなく、憧れていた服を着てみたら、思った以上に自分が歳をとっていて服が似合っていないことが悲しかったのではないかと思いました。
本当に着たいと思うのなら何歳になっても好きな服を着たらいいと思うのですが、この作品は着たい服が一番似合う年代に周りの目を気にして着られないのはもったいないという事を伝えたいのではないかなと思います。
かといってこの作品が安易にロリータや奇抜なファッションを推奨している作品でないことは読み続けていれば十分に伝わってきます。

ある日、バーでゴスロリファッションの少女カヤと出会い、マミはロリータを大切に思っている気持ちを打ち明けます。
しかしカヤは、言っていることはわからなくもないが、「しょせん服は服だ」と言い切りました。
どちらもロリータを大切に思っているのですが、意見が食い違います。
この違いは、「ロリータを着ている時しか本当の自分になれない」と思っているマミと、「服を着ているカヤも、着ていないカヤも、どちらも同じカヤ」と、ロリータの精神を貫いているカヤとの違いでした。
カヤは一見キツイ物言いをしますが、「服や肩書きに自分らしさを委ねていると、いつか脱ぐのが怖くなってしまう」と言いたかったのです。
これもある種の依存なのかもしれません。
マミはこういった経験を得て、教育実習生として小学校や特別養護老人ホームなどを訪れ、色んな人に出会います。
個性を大切にすることの難しさを感じながらも、生徒の個性に寄り添い成長していく姿が感動的でした。
マミが自分の個性を大切にしていたからこそ、できることなのだと思います。
ロリータを着る女子はどことなく不思議ちゃんを想像してしまうのですが、この作品の主人公は小学校教師を目指す真面目な女子大生です。
ロリータがメディアでそういうキャラを演出する小道具のように使われてしまうことがあるからでしょうか。
この作品でロリータを着る女子は、ロリータが好きだからと言ってところかまわず衣装を着ているわけではない、きちんとTPOを考えながら楽しんでいるしっかりとした女性たちでした。
この作品が世間のロリータのイメージを底上げする作品になればいいと思います。
着たい服を着る=自分らしく生きるのに周りに何を言われてもかまわない、という強い意志を持つように成長していく物語なのです。
現代に生き辛さを感じている人への応援と言っても良いでしょう。
好きなことや、やりたいことがわからない人の背中を押してくれる漫画です。
ストーリー
画力
魅力
笑い
シリアス
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