久しぶりに会った幼馴染が変わってしまっていたら・・・
悲しいですよね?
何も変わらないわけはないのに、時間というのは残酷なのかもしれません。
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でも変わらないものも絶対にあるはず!
Contents
「金のひつじ」あらすじ
国内外で大絶賛された『神様がうそをつく。』の尾崎かおり最新作!
小学生の頃、大の仲良しだった継(つぐ)、空、優心、朝里。変わらないと信じていた絆には、いつしかヒビが入っていた……。
高校生男女4人組が織りなす青春と再生の物語。

「金のひつじ」を読んで
6年前に転校した継が両親の離婚により再び元の場所へ戻ってきたときに、仲よし4人組の中の男子2人はいじめの加害者といじめの被害者になっていました。
もう1人の女子朝里ともすれ違いの結果、喧嘩をしたわけでもないのに無視されるようになり・・・
思春期めんどくさい!という描写が胸に響いて痛くなります。
いじめとどう向き合うか。
人間生きていれば誰でも「これは誰かの嫌がらせなのかな?」とか「いじめられているのかも」と感じることがあると思います。
この小さな違和感の対応を間違えると、クラス総勢でいじめの標的にされてしまったり、後に不登校になったり、死を選択するほどの大きな問題になったりします。
もちろん、ただの気のせいというパターンもあるでしょう。
自分の神経が過敏になりすぎて過剰に反応してしまう時です。
しかし気になることがあったのなら、さっさとその相手と話をして自分の気のせいなのか、相手に誤解されてしまい嫌がらせをされているのか、勇気を出して早めにはっきりさせたほうがいいのかもしれません。
自殺まで考えて実行しようとした空を泣きながら救った継は一緒に家出をしよう!と空を誘い2人で東京へ!
そしてなぜか継の父方の祖父の素でコロッケを作ることに。
なぜコロッケなのかはわからないのですがずっといじめられて鬱屈としていた空が輝くような笑顔を見せるようになってそれはとても素敵なことだと思いました。

この作品に登場する、男女2組の友人もそれぞれいじめの加害者と被害者になってしまいます。
イジメの描写
イジメは加害者の方が悪いに決まっているのですが、物語を読んでいると、こうしておけば問題はここまで大きくならなかったとか、いじめられずにすんだのかなと考えさせられる場面があります。
継と朝里の場合
女同士のイジメの原因は嫉妬が関係する場合が多いです。
この作品も朝里が優心の事を好きで、継と優心が仲良くしているのが気に入らなかったことが原因です。
最初は生理ナプキンをスカートにくっつくように仕掛けたりと悪戯程度だったものが、靴を捨てたりと少しずつエスカレートしてきます。
誰がやったのか、はっきりと特定できない方法を使うのが女性ぽい嫌がらせですね。
継なりに朝里の事を気遣う場面が多々見られましたが、朝里は継を信じることができなかった。やはり親友とはいえ久しぶりに会ったのだから仕方がないのでしょうか。
継が家出をすると、今度は朝里がいじめられるようになります。
これもやはり優心の事が好きな友人が朝里に嫉妬していた事が原因です。
ここで教訓にしたいのは、人にやったことは自分にも返ってくるということですね。
人にいじめられても、自分がいじめるのはやめたいものです。
優心と空
優心は親が市議会議員で優しく正義感もある事からクラスのリーダー的存在でした。
ですが、自分の父親が児童買春の疑いで逮捕され、その立場が一変します。
優心は中学校で新入生代表を務めるくらいの優等生でしたが、クラスの生徒の自分を見る目が変わってしまったことに耐えられなかったでしょう。だんだん不登校になり不良と呼ばれるようになります。
こんな時、友人の空には何ができたでしょうか。
たぶん何もできなかったでしょう、本編にも出てきますが、ただ変わらず友達でいることくらいだったと思います。いつものように挨拶したり、話しかけたりしていればまた違っていたのかもしれません。
事件から3か月ほどして優心は空に一緒にボクシングジムに通おうと誘います。空の性格上ボクシングをやらないことは優心も予想がついたと思います。
それでも空の家にまで行ったのは、きっと話すきっかけが欲しかったのと、学校ではなく人目につかない場所なら空も昔のように話してくれると思ったのかもしれません。しかし空の態度が今までの物と違っていたので、そこで優心もあきらめてしまったのでしょう。
高校生で同じクラスになって優心は仲間と一緒に空に暴力をふるったり、カツアゲをしてイジメるようになります。優心のしたことは決して許されることではないのですが、この子のどうしたらいいのかわからなくて、持て余している感じが心に刺さります。
イジメの加害者というのは自分の中の負の感情を処理することが上手くないため、自分より下位のものや執着している人に当たる傾向があるのかもしれません。
そう考えると継のように好きなものがある子は強いですね。
子供に適切な愛情と何か夢中になれるものを一緒に探してあげるといじめはグッと減るのではないかと考えさせられる作品でした。
またこの作品は純文学を読んでいるような作風で、登場人物の繊細な気持ちを絵や表情で表しています。
そのためセリフで語られる以上に絵で登場人物の気持ちが伝わってきます。
読んだ人それぞれが個性の違う4人の誰かの心に共感したりするのでしょう。
それがこの作品の面白さなのだと思います。
友達同士傷つけあっていたのになぜまた元に戻れるのか?という意見もあります。
ただそうやってお互いを着ずつけあいながらも再び友達に戻れるのって思春期のこの年頃じゃないとできないのではないでしょうか。
若さに嫉妬も覚えつつ3巻完結なので4人がどのようなラストを迎えるのか読んでみてください。

ストーリー
画力
魅力
笑い
シリアス
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