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「銀と金」福本伸行の感想!裏社会を舞台にしたマネーゲーム

福本伸行ってストーリーテラーとしては天才だと思うんですよ。

だってあの絵でカイジ、アカギをはじめとした長編大作を描いているのですから。

あの絵に魅力を感じる人はあまりいないと思います。

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全ての魅力はストーリー、というのは極論すぎますか。

「銀と金」あらすじ

裏社会で頭脳と心理戦を駆使して巨万の富を得ていく男達の活躍を描いた賭博コミック。

競馬でスッカラカンになってしまった森田鉄雄(もりた・てつお)は、平井銀二(ひらい・ぎんじ)に声をかけられ、日当10万円の仕事を持ちかけられる。

そして翌日、みかん箱10箱を運んだ森田は、その箱の中には不正融資で得た10億円が入っていると平井から知らされて……!?

「カイジ」「アカギ」と並び称される福本伸行の代表作の一つ。

Amazonより引用

ヨンダリ
ヨンダリ
心理をテーマにしたギャンブル、と言うのは乱暴かな

出典:銀と金

「銀と金」を読んで

謎の老人「銀二」に出会ったフリーターの主人公が詐欺や政治家との癒着、株取引やギャンブルで金を稼ぐ物語です。

実写映画化もされた漫画「カイジ」よりはもっと現実的なストーリー展開が続きます。

根底のテーマはとにもかくにも「金」なので闇金ウシジマくん等の「金」に関するダークな話や裏社会的な話が好きな人には興味部会のではないでしょうか。

福本漫画は「ギャンブル」をテーマにしているものが多いのですが、銀と金はテーマが「金」なので色々なトピック(株取引、闇金、政治家をゆする、大物との麻雀など)に焦点が当たり多彩な展開になっています。

出版されたのが90年代なので今読むと話題が古臭い感じがするが、根底にあるストーリーはしっかりしているので十分楽しんで読めます。

出典:銀と金

出典:銀と金

「銀と金」は人間の本質をついた物語だ

主人公の森田鉄雄と平井銀二は共に人間心理に精通しているという共通点があります。
この2人によって作品全体を通じて描かれるテーマは「人間の本質」のようなものだと思います。

ほとんどのギャンブル対決でポイントになった「絶対的優位にある相手の慢心から生じるスキ」を突く点などは人間のモロさをよく表しています。
絵画鑑識眼勝負の中条も、ポーカー勝負の西条も、麻雀勝負の蔵前も、競馬勝負河野も絶対的優位な状況を作ったことによる慢心を突かれて敗れました。

 

その一方で慎重すぎて用心深すぎることもダメであるとこの漫画は教えてくれます。
上述した4人は全て慎重すぎて用心深すぎたことも敗因となりました。

作品内では人間のあらゆる欲望の中でもっとも強いのが「守り(失いたくない)」という欲望だと告げられているように、
人間は自分の生命や財産はもちろん、そのギャンブル内でそこまで投じた金額にも「失いたくない」と強烈に思うわけです。

 

その点森田はさすが主人公だけあって大金を獲得しても浮かれることはなく、さらに自己保身的な考えも持ち合わせていない性格でした。
まず、自分の力だけで中条との絵画鑑識眼勝負に勝っていきなり2億円を得てもそれで豪遊したりマンションや外車を買おうともせずボロアパートに暮らし続けます。

まだ20才やそこらの年齢でいきなり2億円を得ても浮ついて金を使わないでいられる人間などいるでしょうか?
特にそれまでずっと貧乏暮らしだった森田のような立場なら、なおさら強い「リバウンド」でタガが外れたように金を浪費してしまうでしょう。

 

それでも森田は「この世は戦場なら金は実弾」という強い覚悟があって、金の力を目減りさせないためにも2億円には手を付けませんでした。
そして銀二に言われた通り常に2億円を手元に置き、夜は抱いて眠って金の力で男を磨き続けたのです。

何か事業やビジネスをスタートすれば高確率で稼げるチャンスが到来した時に、資金がないとそれは絵に描いた餅に終わってしまいます。
金を稼ぐ為には金が必要であり、逆に言えば金があるところに金は流れるようになっています。

森田は稼いだ金を「資産」ではなく「軍資金」と考えていたわけで、2億円のうち1万円すら手を付けた様子もありません。
「自分へのご褒美」すら自制する森田のストイックさと精神力は常人離れしていていて、同じ福本キャラでも地下でキンキンに冷えたビールと焼き鳥とポテチを貪っていたカイジとは大違いです。

 

森田の魅力の1つに「損得勘定に流されない」という点もあり、自分自身にストイックかつ自制心が強い性格でそれが後の勝負で活きてきます。
特にそれが際立ったのがポーカー勝負の時に西条に対して勝負を続行して残りの11億円も根こそぎ奪える状況だったにも限らず「潮時」を感じてそこで引きます。

その判断が正しく、西条側の人間が警察を呼んでいたことで森田が去った20分後に警察が踏み込んできていました。
勝負を継続していたら森田は金を稼ぐこともできなかったどころか、出所後に殺される運命しか待っていません。

「こち亀」の両津が典型例ですが、欲張りすぎて深追いしたことでそれまで稼いでいた大金も失うことは現実にもよくあることです。
「潮時」を見切られる人間になるには、損得勘定を捨て去ることができるかどうかが大事なんだと森田を見ていて感じました。

 

このポーカー勝負で一緒に戦うことになった美緒は森田に完全に惚れてしまい付き合ってほしいと自ら告白します。
普通性欲旺盛な年頃である20才の男がこんな可愛い子相手に告白されれば喜んでOKしてしまいそうなものです。

しかし森田は性欲さえ持ち合わせていないのかせっかくの告白も今は裏社会での勝負に専念したいために断ってしまいます
“先輩”の安田に「女はいざという時に最後のシノギになって最悪食って寝ることはできるのに」と森田のストイックさに苦言を呈するほどでした。

とにかく森田は高僧のように欲望を自制できる性格です。
20才でよくそこまでいろいろ我慢できるものだと関心するほどです。

 

そして森田は「守り」の欲望も捨て去ることができます。
天涯孤独で資産も持ってないに等しく、失うものがない森田にとって守るべきものは「自分の命」だけです。

命を張れる(命を失ってもいい)強い覚悟でどの勝負にも挑んでいました。
ポーカー編と麻雀編は負ければ「死」あるのみであり金だけでなく命を賭けて戦っていたのです。

この場合の「守り」の対象は自分の命であり、「生還したい(助かりたい)」という感情です。
その感情を完全に捨て去ることで森田は絶対的不利なギャンブルに勝利することができました。

 

よく「捨て身になった人間ほど怖いものはない」と言われますが、作中の森田はそれを明確に示しています。
森田は「勝てるかどうかわからない」という極めて危険な状況でも命を張れる強さがあるのです。

勝ち目があるかどうかもわからない勝負に命を賭けられる人間なんてどれだけいるでしょうか?
逆に森田と対決する側は皆自分がほぼ確実に勝てる状況を作った上で勝負に挑んでいます。

 

ここまで述べてきたように、慢心もしなければあらゆる欲望にも自制が効く森田という男。
20才とは思えない精神的成熟度を持っているのです。

森田を見ていると20才の若さにしては不自然すぎるほど人間心理を熟知していて、作中ではそれが大いに力を発揮します。
「異端の感性」と呼ばれる常人離れした機転や発想力もあり、相手のスキを見抜く力も天才的であり頭の回転は極めて速いです。

さらに格闘までどこで鍛えたのかわかりませんがやたらと強いのです。
こんな優秀な人間がいれば銀二ほどの大物フィクサーが手駒にほしがるのも当然です。

 

一方で銀二を見ていると人を使うことの難しさというものが伝わってきます。
銀二は一度は森田に自分の力だけで稼ぐことを求めて別離を切り出し、千尋の谷に突き落とすように自発的成長を促します。

単身で2度命を張った勝負を経て8億円以上稼いだ森田の「成長」を認めて、その森田と組んで作中最大の大勝負となった麻雀対決に挑むのです。
仲間にしてわかった森田の並外れた強運に加えて、その麻雀対決で功労者的働きをした森田を完全に信頼して後継者として意識するほどになりました。

 

しかし銀二が森田への気持ちが強くなると、逆にそれまで銀二にそれこそ「男惚れ」レベルに心酔していた森田の方で気持ちが離れていきます。
厳密には神威一族骨肉の争いに巻き込まれたことがきっかけですが、そのようなあからさまな「汚れ仕事」を銀二が森田に丸投げしてしまった点が問題です。

銀二はそのシリーズが始まる前に、格闘しなきゃならなくなるような危険なヤマはこれからは全部森田に任せてしまおうと思っていると語っています。
これは金で雇った従業員にキツくて誰もやりたがらないような仕事を強制させてコキ使う悪質な経営者的発想にも思えなくもないのです。

 

そもそも森田は銀二の元で挑むことになった殺人鬼の監視役や麻雀対決でも命を賭けることになり、
殺人鬼との死闘や神威一族の争いでは文字通り死にかけるほどの重傷を負うハメになりました。

2度も死にかけた上に、命を賭けるような勝負をポーカー編と麻雀編で2度も挑むことになり精神的にも限界がきていた可能性もあります。
こんなに頻繁に死にかけたり命を捨てるような覚悟をさせられたらいくら森田が精神的にタフだと言っても辛くないわけがありません。

 

銀二の方は人生経験も森田の倍以上はあるわけで、人間心理を見抜く力は森田以上のものがあり森田自身さえやりこめるほどです。
ただ肝心の森田の心のSOSに気づかなかったんじゃないかなと思うフシもあります。

森田が引退を告げる時、病室に見舞いに来て自分が振った仕事のせいで死にかけた森田にかけた最初の言葉が「よおっ、大変だったな」です。
続けてあっけらかんと「まぁゆっくり休むがいいさ。傷が癒えるのを待ってボツボツ復帰すりゃあいい」と呑気な顔で語り掛けているのです。

 

せめてここで心からの詫びの言葉くらいあれば森田も引退する考えを翻したかもしれません。
その言葉をかけられた森田はその後2コマで合計3つの吹き出しにセリフがなく「・・・・・・・・・・・」と心の中での葛藤が描かれます。

そのコマで銀二を見る目には「非難」の色も感じられるのです。
おそらくここで銀二が何を言うか待っていてその答えが上述したセリフであり、その後うつむいて意を決したような表情になり引退を申し出るのです。

 

さすがに深読みしすぎかもしれませんが、ちょっと銀二のかけた言葉には配慮がなさすぎる気もします。
ただ銀二はとてもじゃないですが若い森田に頭を下げるような性格にも思えないですしどっちみち避けられない結果だったのかもしれません。

人間の感情は繊細で、ちょっとした言動などささいなことから大きな不満に発展してしまいがちです。
経営者が従業員に去られてしまう事例は多いですが、相手の感情を汲み取れなかったケースは決して少なくないでしょう。

 

森田と銀二の関係は雇用関係ではないものの、実態は銀二が経営者で森田が完全歩合制の契約社員みたいなものです。
銀二は「経営者」として森田ほど優秀な人材を流出することになり、これがきっかけで裏社会から引退を考えるほど気力が衰えてしまうのです。

両者の関係を見ていると人を使うことや、優秀な人材を手放さないことなどの人心掌握面での難しさを痛切に感じます。
直接的な原因は森田が「悪党」を利するために命を賭けるのが嫌になったことですが、嫌なことでも黙って従い続けるほど森田の心を掴めなかった銀二の敗北でもあるのです。

「銀と金」の名言集

森田鉄雄と平井銀二という2人によって展開されるこの「銀と金」というストーリーは人間だけでなく人間社会の本質まで徹底的に突いた作品だけに名言も数々あります。

名言の宝庫!マンガ銀と金から学ぶお金持ちになるための名言ベスト3その①

「どんなに真面目に働いても金を持たなければ罪人!」

 

いきなり強烈な言葉ですね(笑)

昭和の時代は会社でまじめに定年まで働くことが一番いい事だとされていました。

しかし時代は変わり、サラリーマンはどんなにまじめにがんばっても経済的に豊かにはなれないということがだんだんと世間にバレてきたんですね。

 

どんなに働いても生活が楽にならない・・そんなふうに感じている方も多いでしょう。

この銀と金ではサラリーマンなら一生安泰といった幻想を打ち砕いてくれます。

 

もっと言うと「まじめに働いても金を持たなければ罪人」という名言には

会社員だと豊かになれない。だから勤め人以外の収入源を持て!

という意味が込められているのです。

 

ちなみに会社員以外の収入とは

 

ブログ

せどり

ユーチューブ

ウーバーイーツ

不動産収入

株式投資

その他

 

などの事業収入や資産収入のことをいいます。

 

この名言には会社に頼らず自分自身で稼いで本当の意味で自立していこうというメッセージが込められています。

みなさんも「罪人」にならないようにお金を稼いでいきましょう(笑)

 

 

 

 

名言の宝庫!マンガ銀と金から学ぶお金持ちになるための名言ベスト3その②

「この世が戦場なら金とは実弾。戦場でたいして多くもない弾をバラバラバラまくバカはいない」

 

お金がなかなか貯まらないという方にとくに知って欲しい名言です。

限られた銃弾をガンガン使っていたら弾切れになって戦場ではかなり不利になってしまいます。

 

現実社会でも同じ。せっかく稼いだお金を必要のないところにばらまいているとお金はほとんど貯まりません。なので金を貯めるためには無駄な弾を撃たないようにすることが大切です。

 

ちなみに無駄なお金の使い方の例は

 

高い家賃

無駄な保険

無駄な飲み会

キャリア携帯

 

などなど・・

お金が減っていくワナがいろんな所に設置されていますのでご注意を。

銀と金の名言の通りあなたが生きているこの現実社会は戦場だと思ってください(笑)この戦場を生き延びて豊かな暮らしを実現するために実弾(お金)が必要になるときがきっときます。無駄な実弾をバラまくようなことを少なくして必要な時のためにお金を貯めておきましょう。

 

名言の宝庫!マンガ銀と金から学ぶお金持ちになるための名言集その③

それほど銀行金利は低い…あの低さはサギやからな

 

この名言はお金の運用方法について語っています。

「銀行に預けてもほとんど儲からない」

という意味です。

 

現在の銀行の預金金利は0・01%前後。確かに安すぎますね・・。

 

では銀行に預けるという以外に一体どうしたらお金は増えるのでしょうか。

この銀と金の作中で語られるお金の儲け方はどれもダーク。

なので一般の方にはオススメしません(笑)

 

実際に主人公の森田は殺人鬼に襲われて重傷を負っています。お金のために危険を冒すのはマンガの世界だけで十分でしょう。

 

私たちのように真っ当な世界で生きている者たちはマンガ銀と金から心構えだけを学んで

ダークな手法はマネしない方が賢明です。

銀行に預ける以外でお金を増やせる方法を探していかなければなりません。

まだまだある名言

 

・どんなに真面目に働いても、金を持たなければ罪人。

・遅く決める者は ただそれだけで道を誤る者だ・・・大成はない!

・欲望が飽和点に達したとき、人の注意力は脆くも飛散する。

・他人を信じられない人間は、とどのつまり自分も信じられない・・・信じることが出来ない!

・この世はしょせん、搾り取る者と搾り取られるものの二種類しかいない。

・会長は今、見あやまりました。地を這う人間の情念を!

・罪を背負った人間の疑念は一種の病気。疑って疑って疑いつくす。

・「勝つ」ということはな、イコール得るということだ。ではどこから得るか・・・。決まっている。敗者からだ。つまり弱者からぶんどる。これが人生というものの基本の基本だ。

・第一その絶対的優位って点が、すでにもうひとつのスキなのさ。オレはそのスキを作ってことを生業にしてきた男。

・人は皆認められたい。普段恵まれぬ人生を歩む者ほどその気落ちは強い。

・彼らがこう理解してほしいという「思い」のとおりに彼らを理解してやることだ・・・ころぶよ・・・オレはこのやり方でもう百人以上・・・あらゆる階層の人間を落としてきた。

・勝負を打って出て微差で負けるようになったらもう悟ったほうがいい。自分にはもう勝つ為の何か、決定的な何かが欠けているのだ・・・と。

 

まだこれでも一部ですがどれも人間や人間社会の本質をエグいほど突いた名言の数々です。

福本伸行について

余談ですが今やビッグな漫画化となった佐藤秀峰先生は当時この「銀と金」他月間4本の連載を抱えていて寝る暇もないほど多忙だった福本伸行先生のアシスタントをしていました。
神威編の中心人物である神威秀峰は佐藤先生の下の名前を取ったもので、佐藤先生は福本先生の最高傑作をこの「銀と金」だと語り、未完に終わったことを不満に思っていたとも語っています。

2017年のAKB総選挙の場で結婚を宣言して話題になったアイドルの須藤凜々花はこの「銀と金」を読んで麻雀を始めて麻雀の冠番組を持つほどになったエピソードもあります。
彼女は「銀と金」は人生の教科書だと語っていますが、これほど人間と社会の本質をエグった作品であればそれも納得です。

 

福本先生は作品が続いていたら最後は銀二と森田を対決させる予定だったとインタビューで語っています。
「スラムダンク」・「黒子のバスケ」・「ダイの大冒険」など続編の余地を大いに残した名作は他にも多いですが、この「銀と金」の続編もかなり読みたいです。

ヨンダリ
ヨンダリ
初期の作品の中ではピカイチだよ!

ストーリー

画力   

魅力   

笑い   

シリアス 

ヨンダリ
ヨンダリ
打ち切りかな・・・

これを打ち切りにする当時の編集の無能さよ

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「銀と金」を読んだ人におススメ

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ヨンダリ
ヨンダリ
福本伸行といえばこれ!まだ連載中の人気漫画!
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