青春時代を支えてくれた思い出深い作品。
かつて天下の週刊少年ジャンプで看板を張っていたこともある超人気作でもあります。
連載は2016年に終了しましたが、後に事実上の続編となる小説が発売され、実写化で物議を醸すなどいまだ話題の絶えない作品です。
スタイリッシュで無駄のない作画、男なら誰しもが持っている中二病心をくすぐる設定の数々、そしてなによりも洗練されたセリフ回し。
本当に素晴らしい作品で、今でも時折本棚から引っ張り出してはコミックスを読み返しています。
ちなみにコミックスは全74巻。
テンポが良いので1から読み始めてもサクサク読み進めることができます。
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「BLEACH 」あらすじ
黒崎一護・15歳・ユウレイの見える男。
その特異な体質のわりに安穏とした日々を送っていた一護だが、突如、自らを死神と名乗る少女と遭遇、「虚」と呼ばれる悪霊に襲われる。
次々と倒れる家族を前に一護は!?

「BLEACH 」を読んで
ヒロインである朽木ルキアが死神の最強勢力・護廷十三隊に連行され、それを主人公の黒崎一護が奪還に向かう「尸魂界編」は人気の凄まじいエピソード。
少年漫画の王道的な展開が数多くみられ、リアルタイムの瞬間最大風速では同誌連載の国民的海賊漫画すら抜いたとも言われています。
先述した魅力を一つずつ語るならば、まず最初に紹介したいのが「洗練されたセリフ回し」
原作者の久保先生は学生時代に膨大なページ数を誇る広辞苑を読破した経験を持ち、天性のセンスとそこで培われたワードセンスが合わさって作品内では数々の名言が飛び出します。
コミックスでは毎度、巻頭に各巻を代表するキャラクターが詠んだと思われるポエムが掲載されているのですがそれがまたかっこいいのです。
あまりにオシャレさが飛びぬけていて吹き出してしまうこともあるのですが、それもまた一興。
本編を読む前にそのポエムでキャラクターの人物像や秘めたる感情を考察することができ、あらすじよりも先にキャラの掘り下げができてしまうその工夫はまさに圧巻の一言。
表紙も拘って描かれており、コミックスは隅々まで見て楽しむことができます。
もちろん本編での名言の数々も素晴らしいです。
主要人物のほぼ全員と因縁の深い大敵・藍染惣右介の「憧れは理解から最も遠い感情だよ」や「あまり強い言葉を使うなよ、弱く見えるぞ」などは作品を読んだことがなくても知っている、という方も多いのではないでしょうか。
今でこそ「正論を言う悪役」は当たり前になりましたが個人的には彼がその代表格のようにも感じます。
これほど影や知性を感じる悪役も早々いません。
初めてそのシーンを読んだ時も確かに…と納得してしまったのを覚えています。
とても日常会話では使えませんがそれでも隙あらばどこかで使いたい、彼のセリフを引用するタイミングを虎視眈々と狙っています。
キャラクターが驚いたときなどによく出てくる「何…だと…」や「○○の霊圧が消えた」などはネットスラングとしても有名。
途中から制作側も意識しだしたのか、劇中では終始多用されたセリフでした。
つい真似をしたくなる要素のひとつです。
そして久保先生のワードセンスの真骨頂といえば鬼道の詠唱。
ようするに攻撃技や捕縛技を撃つ前の呪文のようなものなのですが、どんな生活をしていればそんな言葉の組み合わせが思いつくんだ、というほどに洗練されています。
どれも長セリフですが、これを暗記して友達と鬼道ごっこをするのはファンなら誰もが通る道。
高位の鬼道である黒棺の詠唱などを噛まず言えた日にはファンとして一段階成長したことを実感できることでしょう。
アニメでは声優さんたちが気合たっぷりに詠唱しているのでそちらも必聴。
熟練されたファンならば第一声でなんの技なのか分かってしまいます。
ほかにも死神たちが斬魄刀を開放するときの解号や卍解もそのひとつ。
そもそも刀がパワーアップすることを卍解と呼ぶセンスも素晴らしいですがしっかり各キャラクターのイメージに合った名前や能力をつけるネーミングも天才的。
ファンにはオリジナルの斬魄刀を考案する余地があり、授業中のノートの端やプリントの切れ端に落書きをした少年たちもいたことでしょう。
学生時代、卍解を真似するために決して安くない模造刀をネットで購入して遊んだのも良い思い出です。
中二病をくすぐる作品
次に「中二病心をくすぐるのが上手い」点について。
持論になりますが中二病心は男なら誰しもが必ず大なり小なり死ぬまで持ち続けるものだと思っています。
BLEACHはそれをくすぐるのが非常にうまい。

割れた仮面を常に顔につけている破面たち、卍解の存在、一護が仮面をつけるときの動作、人の心理を突くようなセリフの数々…
挙げたしたらキリがありませんが、男の子ならワクワクしないはずがありません。
特にこの作品では敵組織の幹部には必ず番号やアルファベットが振られており、強さの格がわかりやすく示されていますが、それが本当に素晴らしい。
「5番でこの強さかよ…」「これだけ強いライバルキャラが6番!?」といちいち数字に良い意味で踊らされるのも楽しいです。
これほどシンプルにワクワクできる要素もありません。
いくつになっても四天王とか三強とか、そういう括り方は大好きです笑
そんなBLEACHが中二病真っ盛りの年頃の男子たちが読む少年ジャンプに連載されていたのですから、人気になるのもうなずけます。
スタイリッシュな作画
次に「スタイリッシュな作画」

この作品は他の作品に比べて背景や戦闘シーンの描き込みが至ってシンプル。
これは賛否両論あるポイントですが、個人的には見やすくて無駄がないと思っています。
建物や人が多くてごちゃごちゃしていると情報量が多くてかえって状況を理解しがたく、トーンやベタ塗りなどもほとんど使わずにバックを描いている点も読みやすさに拍車をかけています。
それにBLEACHやキャラクターやセリフで魅せる作品なのでこれも問題なしとみて良いでしょう。
そのなかでも「双極の丘での黒崎一護vs朽木白哉」「ウルキオラの消滅」はとりわけそれが目立つシーンです。
前者は丘の上での戦闘故まわりに何もなく、背景と言えば青空と地面のみ。
シンプルな背景で純粋に因縁深い両者の戦いを楽しむことができる最上の舞台といえるでしょう。
後者も同じです。砂漠や真っ白な建物が周りにあるのみ。
それをバックに虚無を司り冷たい機械のような男だった彼が死に際に人の心を理解して消えていくシーンで、最後に見開きで一言…というのはページの使い方すらも天才的だと感心しました。
市街地戦もほとんどビルの屋上や上空で行われる当たり、久保先生のこだわりなのでしょうか。
ともあれ相撲の土俵やボクシングのリングよろしく、戦いの舞台はシンプルが一番
BLEACHに慣れるとそんなことを強く実感します。
もうひとつ隠れた魅力があるので紹介したいと思います。
ギャグ多め
それがギャグシーン。

基本的に戦いに次ぐ戦いでシリアスなシーンも多いこの作品にも清涼剤としてところどころにギャグシーンが盛り込まれています。
久保先生も実はバトルよりもギャグの描写を褒められる方が嬉しいと語っているようで、随所に挟まれるギャグシーンはシリアス描写とのギャップも相まってどれも面白いです。
また、そんなBLEACHのギャグ成分を集めたカラブリ+というスピンオフ作品もあるのですがそちらもおすすめ。
ナンバリングのコミックスと併せて読むことでより作品の世界観を楽しむことができます。
最後になりますが、BLEACHは少年漫画らしい王道展開からギャグ、少年をワクワクさせる描写やセンスあふれるセリフ回しと魅力たっぷりのバトル漫画。
是非読んでほしいおすすめの作品です。
尸魂界編、破面編などはため息が出るほどの完成度。
ハマること間違いなしです!
ストーリー
画力
魅力
笑い
シリアス
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