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「BECK」ハロルド作石の感想!ライブの臨場感を感じられる音楽漫画

ハロルド作石の漫画は野球やプロレス、音楽などを題材にしたものが多く、バラエティー豊かで味わい深い作品達ばかりです。

そして、登場人物たちの心情描写はもちろん、道具等の描写も細いのが特徴です。

その道のプロも唸らせるクオリティー。まさに玄人ウケもする作品達です。

ハロルド作石は1987年に第17回ちばてつや優秀新人賞を受賞し、週刊ヤングマガジンでデビュー。

その後、ゴリラーマンや、ストッパー毒島など次々とヒットを飛ばします。

今の読者達なら、7人のシェイクスピアやRINのが馴染み深いでしょうか。

「BECK」は月刊マガジンに連載され、累計部数1200万部の大人気漫画。

アニメ化はもちろん、佐藤健や水島ヒロ、桐谷健太などにより映画化もされました。

まさに青春ロック漫画の金字塔。

音が聴こえてくる漫画です。

「BECK」あらすじ

誰にでもいつか“目覚め”の刻が来る……!!!

果てしなく続く、穏やかで退屈な中学生活。

それは、いつまでも変わらないはずだった──。

あいつに出会うまでは……!!

Amazonより引用

ヨンダリ
ヨンダリ
まさかの「BECK」!!!

出典:BECK

「BECK」を読んで

平凡な中学生コユキ。

コユキというあだ名は2歳年上の幼馴染・泉がつけています。

そのあだ名の理由は同じ書道教室に田中幸雄という同姓同名がいるので小さい幸雄でコユキです。

平凡だと思っていたのは自分と自分の周りの小さな世界だけでした。

しかし能力のある人間の単なるサクセスストーリーではありません。

才能が認知されるには人一倍の努力が必要なんですよね。

コユキと竜介の出会い

物語は平凡な中学生・田中幸雄が、帰国子女の竜介と出会うところから始まります。

二人の最初の出会いは、強面のマスターがいるバーです。

そうです。未成年なのにバーなんです。

ロックですね。

コユキの竜介の第一印象は女は泣かせる、借りた金は返さない、大ボラ吹きなど印象は最悪でした。

しかし、コユキ達が外国人に絡まれた所を竜介が助けます。

それは竜介の飼っているBECKをコユキが助けたことがあることが理由です。

結局はボコボコにされるのですが、自分より体が大きい外国人に立ち向かおうとしたコユキの勇気に感動した竜介。

二人は急接近し、音楽やギターを通して絆が深まっていきます。

竜介のコードは独自の押さえ方で、竜介曰く「ギターはフィーリング」天才肌なのですね。

ブルースにも長けていて、ジョン・リーデイヴィスにも認められるくらいのギタリスト。

それもそのはず。

竜介は少年時代に、世界的大人気バンド「ダイイングブリード」のGt/エディーからギターを教わっていたのです。

そんなバックグラウンドをもつ竜介は最強のバンドを組むことを決めます。

バンド名は竜介の犬の名前からとって、「BECK」

時間差はありますが、後にGt/コユキも加入します。

出典:BECK

Ba/平・Vo/千葉/・Dr/サクの加入

ベースに、父親がプロミュージシャンの平が加わります。

竜介のライバル栄二からも声がかかる人気者の平。

バンドへの加入の決め手は、BECK史に残る名言「俺の求めるケミストリーがありそう」

このケミストリーをスパークさせ、BECKは数々の奇跡を起こしていきます。

ボーカルには千葉が加わります。

千葉の両親は幼い頃に離婚していて、養護学校に通うお兄さんもいます。

幼い頃から苦労を重ねてきた千葉の夢は分かりやすく、有名になって団地を抜け出し、高級車を乗り回すこと。

千葉はスター性や存在感があるバンドのフロントマンです。

努力家な千葉はレベルアップのため、HIPHOPのアンダーグラウンドなバトル大会にも出場したりします。

ドラムにはサクが加入します。

サクとコユキはBECKへ同時に加入します。

二人の出会いはロック少年ならではの出会いです。

コユキは、校内で1番権力のある兵藤軍団から目をつけられ、いじめにあっていました。

そんなコユキは、ある日校内放送を使ってダイイングブリードの「ジョン・セイズ」をかけます。

閉鎖された息苦しい学校において、音楽で一瞬でも自由を感じてほしいという願いがあったようです。

サクはこの放送を聞き、コユキに声をかけます。

「ダイブリの、ジョン・セイズ。すごい渋い選曲だったよ」と。

コユキは、(この学校で初めてできた俺の味方かもしれない)と感動し、二人はすぐに名前で呼び合う仲になったのです。

出典:BECK

奇跡の夜、グレイトフルサウンド5

BECKを語る上で外せないのが、グレイトフルサウンド5の出演。

竜介は出演できるように、RJレーベルを営むレオンサイクスに直談判し取引をします。

取引の内容は”どのステージよりも客を集めること。もし無理ならば、今後のBECKに関わる全てを貰う”でした。

入り口から一番遠く、一番小さいステージという圧倒的不利な中で数々の奇跡が起こります。

大雨による時間の延期や中止、機材の故障など他ステージでトラブルが相次ぎます。

それにより客の流れも変わり、BECKが一番客を集めることに成功します。

噂が噂を呼び、この日のステージは伝説となりました。

まさにグレイトフルサウンド創設者の理念が現実となった瞬間でした。

音楽の力を信じること。音楽は世界を変えることができる。

東名阪/全国ツアー~新たな出会い~

グレイトフルサウンド5が終わり、一度BECKは解散します。

しかし、コユキの働きにより、竜介がいない状態ではあるものの再結成することになります。

インディーズでCDを出すなど、BECK再結成は思いのほか順調でした。

そんな中、東名阪/全国ツアーをスタートします。

このツアーでは、死亡遊戯やルーム13に出会います。

死亡遊戯のタケちゃんはカリスマがあり、ミクスチャーロックの重鎮です。

顔は極悪ですが、根は優しくBECKの実力を認め、応援してくれます。

タケちゃんの願いは1つ。

「俺たちの時代を作ろう」です。

一方、ルーム13にはシンゴがいます。

コユキやサクと同い年でギターがもの凄く上手い。

感情のまま弾き倒す変態タイプです。

両者は互いを意識しながらも、ゆっくりと仲良くなっていきます。

後に、一緒にイギリスに行きますが、雨の中打ちひしがれるコユキに、そっと傘を差し伸べる優しい一面もあります。

末永く付き合うことになる、三人です。

BECKとジムウォルシュ

ジムウォルシュは新進気鋭の世界的に有名な映画監督です。

グレイトフルサウンドの前夜祭の様子を映画の1シーンに使用したことでBECK(コユキ)との付き合いが始まります。

共通の友人エディーもいたこともあり、BECKとの絆が徐々に深くなっていき、BECK初のPV撮影をするに至ります。

才能溢れる監督だけど、場を和ませるユーモアがあり、それでいて紳士。

BECKにおいて、ジムウォルシュが一番好きだという人も多いのではないでしょうか。

デビルズウェイ

エディーが作った最後の曲です。

エディーは道ばたで困っている人を助けようとしました。

車を降りて、近づき「何か困っていることは?」と尋ねたその瞬間に撃たれてしまいました。

エディーはBECKの音楽を信じ、いつか競演することを楽しみにしていました。

エディーが死ぬ直前に電話をしたのは竜介でした。

しかし、釣り小屋でたまたま電話を取ったのはコユキでした。

ワンフレーズだけの、まだ未完成の曲を エディーはコユキに聴かせます。

この曲が、後にBECKの手によって作曲・編曲される「デビルズウェイ」です。

BECKのハイライトでもあるアヴァロンフェス最期のステージ。

BECKがヘッドライナーの立ち位置で、最後にこの曲を披露します。

オーディエンスと1つになり、確かなエネルギーを共有する。

BECKの曲は届いている。

確かに届いている。

1つずつ、1つずつ。

1人ずつ、一人ずつ。

1歩ずつ、一歩ずつ…。

出典:BECK

BECKの最後はメジャーデビュー?をするところで終わります。

アルバムタイトルは「one by one」

何の曲が、どのような順番で入っているのかは明らかにされてません。

しかし、ジャケット写真は描かれています。

彼ららしい、ライブ会場にポツンと落ちているゴミの写真です。

メジャーデビュー後も、高級車ではなく、あい変わらず愛着があるボロバンに乗っています。

そんな風に描かれている1コマを読んでほっこりしてしまいます。

いつまでもBECKは変わらないでいてくれるんだろうなと思わせてくれるシーンです。

ハロルド作石はBECKを通して何を伝えたかったのだろうかと考えてしまうことがあります。

BECKは勇気をくれる漫画です。

熱い感動を与えてくれる漫画です。

しかし、哲学的なものを問うてくる漫画です。

ジムの言葉がいつまでも頭から離れません。

下に行ったことがなければ上には行けない。

右に行ったことがなければ、左には行けない。

絶望を知っているから、人は人に優しくなれます。

絶望があるから、人は光に希望を見いだそうとします。

そうして、人は1歩ずつ、1歩ずつ進んで行くのでしょう。

その時、近くに音楽があれば。

音楽が寄り添ってくれれば…、人は音楽で救われることもある。

生きる意味を見いだせることもある。

音楽に世界を変えるだけの力はないかもしれない。

でも、心のどこかであると信じている。

なぜなら、僕が音楽に救われた人間だからね。

そう呟くハロルド作石の声が聞こえてきそうです。

ヨンダリ
ヨンダリ
音楽はいいなあ

ストーリー

画力   

魅力   

笑い   

シリアス 

ヨンダリ
ヨンダリ
ギター弾きたくなるよね!

最後は、BECKを代表する、エディーと竜介の言葉で締めます。

「ギターってのは、たった6本の弦から伝わって出てくる人間性なんだ」(エディー・リー)

「フィーリングが入っていない。大切なのは、人に何かを伝えること」(南竜介)

出典:BECK

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